犬のしつけ方をインターネットで調べると、たくさんの方法がありどれを選んでいいのか迷ってしまいますよね。
以前に比べ、動物業界も体罰に対する反対が強くなり、犬にとってよりやさしい方法が主流になってきました。
けれど、「犬にやさしいしつけって叱ったらいけないの?」「どうやって注意したらいいの?」と混乱してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際ドッグトレーナーの私は、「ほめるしつけ」を意識して犬のしつけをしています。
さらに犬だけでなく、子どもに対してもこの考え方で接していて、叱る頻度はそれほど多くなく済んでいると感じます。
なぜなら、「ほめるしつけ」を意識すると本人たちがやる気にあふれて、自分がいいと思うことを進んで行動してくれるからです。
(今回の夏休みの自由研究も一人5個以上していました。それはそれで親も大変ですが・・・)
この記事では、私がおすすめする「ほめるしつけ」の考え方やメリットについて紹介しています。
ほめるしつけは決して「叱ってはいけない」わけではありません。
子どもが言うことを聞かず、いらいらしている方も必見です。
そもそも犬にしつけをしなきゃいけないの?
私の考えるしつけとは「人と犬が安心安全に暮らすためのルールを身につけること。」です。
山奥にひっそりと暮らす家ならば別ですが、ほとんどの方が人間社会と密につながって暮らしていると思います。犬にとって当たり前の習性であることが、人間社会だと問題になってしまうことがあります。
吠える、咬むなどの行動がそうです。
飼い主さんは、責任をもって愛犬に人間社会で暮らすルールを教えてあげる必要があるのです。
犬の「ほめるしつけ」ってどういうもの?
おやつなどの報酬を使って、無理やりではなく楽しい雰囲気で行うしつけ方法です。
できるだけ叱らずに、してほしい行動をした時ほめることで、犬が自分でその場にふさわしい行動を選択できるようになっていきます。
ほめるしつけを使うメリット
叱られるだけだと「じゃあどう行動したらいいの?」がわからず、犬にとっても不安やイライラの原因になってしまいます。
ほめるしつけは、犬がしてほしい行動をした時にほめることで、その行動をする頻度が増えます。
してほしい行動が増えるということは、犬にとっても選択肢が増えるということです。
「行動したらほめられた」 → 「これもやったらほめられるかも!」 → 「ほめられて自信につながる」
という、いい連鎖が起きていきます。
叱りすぎるしつけには副作用もある
- 飼い主さんに叱られないようにするために、何も行動をしなくなってしまう。
- 一時的には効果があるけれど、毎回叱らなければいけなかったり、叱る人がいないと聞かなくなってしまう。
- エスカレートして体罰になりやすい。
- 強く叱られた犬が、自分より弱い犬に強く当たりやすくなる。
犬にも人にも当てはまることだと思います。
実際、叱るタイプの飼い主さんが部屋からいなくなった途端、犬が靴で遊びだしたのを見たことがあります。
「靴ではなく自分のおもちゃで遊ぶことがいいこと」と知っていれば、靴を選ばずに済んだと思います。
また、あえて叱られる靴で遊ぶことで、そこにいる人の反応を見ているようでもありました。
どちらにしても、正しい行動をほめていれば、余計な駆け引きをせずに済みます。
叱る側として、注意がエスカレートしてしまうのは、子育てをしている方も感じることはないでしょうか。
私も子どもを叱っている時へらへらされると、「全然伝わってないから、もっと強く出なきゃ。」とより強い方法を考えてしまう心当たりがあります・・・。
「ほめるしつけ」の誤解されやすいポイント
- 全く叱らないわけではない
- 犬に全くストレスを与えないわけではない
- ずっとおやつをあげるわけではない
① 全く叱らないわけではない
その場にふさわしい行動をしてくれるため、叱る必要がなくなるといういい循環になっていきます。
そのため、「叱ってはいけない」「叱らない」のではなく、叱る状況を作らないことが大切です。
ほめるしつけを行っていても、愛犬に注意をしなければいけない場面は必ず出てきます。
そのままにしておくことは、結果的にお互いの関係にいいことではありません。
犬にルールを教えることができないと、犬にとっても正解がわからず不安な気持ちになってしまうからです。
愛犬に注意をする時は、起きた瞬間に短い言葉で伝えます。
もちろん体罰はNGです。
②犬に全くストレスを与えないわけではない
「犬にストレスを与えない」=「やさしさ」ではありません。
また、全くストレスを受けずに生活することは不可能なので、少しの我慢ができることは、愛犬の生きやすさのためにも重要です。
適度なストレスは人にも犬にも大切なことで、心の容量を上げるチャンスにもなります。
なんでも犬に合わせるのではなく、その子が乗り越えられるレベルのステップを組んで、徐々に苦手なものに慣らしていくこともやさしさです。
③ ずっとおやつをあげるわけではない
「ほめるしつけはおやつがないとできない。」と思われることがありますが、おやつは徐々に減らしていきます。
おやつを使うのはやる気をアップさせるためなので、当たり前にできるようになったことはおやつがなくてもやれるようになります。
最終的には「飼い主さんにほめられることがうれしい!」と思って行動するようになります。
おやつを減らす時のポイントは
- 急にやめないこと
- 徐々にやめつつもランダムにあげたり、あげなかったりすること
です。
ほめるしつけは子どものやる気アップにも効果的
私が「ほめるしつけ」の考え方で、子どもに対してを意識的に行っていることは
- 子どもが興味を持ったことは、勉強系でなくてもできるだけやらせる
- 夢中になってやったことは「いいじゃん!」と内容の評価はしないで一緒に喜ぶ
- あまり暇を与えない(だらだら寝っ転がったり、テレビを見ることはさせずに、興味を持ちそうなことに誘う)
ベースとして、あらかじめルールを決めておくことは大切だと思います。
ルールの内容も一方的に決めるのではなく、話し合って決めることで納得しやすくなります。
ちなみに我が家のゲーム時間は、1日30分までです。
初めからルールを決めることで、それが当たり前になり、ごねずに守ってくれます。
ルールがぶれないことも大切です。
子どもが自分から進んで始めたことを、親が一緒になって楽しむ(声かけだけでも)ことで、子どもは夢中になるものが増えていくように感じます。
いろいろなものに興味を持つということは、選択肢が広がり、自信にもつながります。
犬も人も共通するところがありますね!
「この人といると楽しいから、言うこと聞いてみようかな?」と思う関係性も大切です。