気になる保護犬の情報を見ていると、病歴の欄に「フィラリア陽性(軽度)」と書いてあることがあります。
「フィラリア症は怖い病気だから、迎えるのは難しいかな?」
「軽度ならすぐ治るのかな?」
と、悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
我が家が迎えた保護犬うなじろうは、保護団体さんの所にいたときから軽度のフィラリア症でした。
実際私も、「数年飲み薬を飲んだら陰性になって完治するだろう」と思っていました。
けれど、すぐに陰性になっても完治することは難しい病気だということを知りました。
フィラリアの後遺症が出たと思われる我が家の体験談と、フィラリア予防の大切さについてお伝えします。
今フィラリアにかかっていない子も、身近な恐怖であることを知ってもらい、引き続き予防に力をいれて頂けたらと思います。
そもそもフィラリア症って?
獣医さん曰く、「蚊が運ぶ寄生虫が、心臓や肺に寄生することで起こる病気」。
日本ではだいぶ数が少なくなったものの、地方だけでなく、都会でも発生することがあるそうです。
蚊の出る時期の少し前から予防薬を使うことで、予防することができます。
関東だと5月~11月の半年間が一般的ですが、住んでいる地域により時期が変わってきます。
一度動物病院で予防薬をもらうと、次の年からお知らせをしてくれることがほとんどなので、飲み忘れの心配も減ります。
フィラリア治療って何するの?
程度によって治療法は変わると思うので、我が家の実体験をお伝えします。
軽度の場合は、数年フィラリア予防薬を飲み続ければ陰性になる可能性が高いということでした。
うなじろうを迎え、動物病院で犬の登録と同時にフィラリアの診察をしてもらいました。
わずかに心雑音があるということで、フィラリアの影響はすでに受けていることを知りました。
フィラリアの治療は、他の犬が飲んでいる予防薬と全く同じものを、一年間通して飲むだけでした。
特定の予防薬がフィラリア陽性の犬にも効果があるということで、普通なら半年飲むものを、まず1年間通して飲むというものでした。
月に一回、薬の入った肉々しい塊をあげます。(たいていの犬は大好きです。)
たった半年でスピード陰性へ
半年後の再検査でうれしいことに陰性に!予想以上の早さに病院の先生も驚いていました。
私も、「こんなに早く治るのか!」と安心しきっていました。
けれど、フィラリア症は陰性になったら終わりという病気ではありませんでした。
うなじろう突然倒れる
うなじろうが突然倒れたのは、迎えて8カ月経ったころでした。
その日は両親が遊びに来て、初めてうなじろうと対面しました。珍しくサークルの中でうんちをしていたのでドアを開けると、よろよろと父に向っていき体を預けていました。
「いつもこんなに甘えるの?!」と父が言ったので、見てみると自分では立てないようでした。
うなじろうの症状
- 目は開けていて意識はあるものの体の力が入らないようでフセの姿勢
- 呼んでもフードを近づけても反応しない
- 呼吸は早くもなくハアハアもしていない
- 耳や歯茎の粘膜が真っ白
- まぶたの上が少し赤く腫れている感じ
動物病院へ行く
日曜日でしたがかかりつけの動物病院で診てもらえることになりました。
倒れてから15分くらいで自分からゆっくり歩きだし回復はしたのですが、心配なので検査をしてもらいました。
血液検査、腹部・心臓エコーをしてもらい、血液検査の結果は肝臓の数値が異常に高いと出ました。
2週間後再検査になり、また検査してもらうと心臓にやや変形があることがわかりました。
そこで獣医さんからフィラリア症が治っても、心臓や血管に与えたダメージはもとに戻らないことを伝えられました。
またいつ倒れるかわからず、状態によっては心臓の薬を飲み続けるという可能性もあるとのことでした。
うなじろうが倒れたのは2回目。1回目は我が家に来る当日でした。
その時はアレルギーではないかということでしたが、おそらく1回目も同じ理由だったのではないかと思います。
フィラリア症は軽度でも怖い
いつ倒れてしまうか心配な日々ですが、ふだんは全く変わりなく過ごしています。
うなじろうと出会って3年が過ぎましたが、今のところ目の前で倒れたのはこの1回だけです。
引き続きうなじろうの様子を注意深く見守りたいと思います。
フィラリア症は予防できます!
これ以上かわいそうな子が増えないように、飼い主のみなさん忘れずに予防薬を飲ませてあげてほしいです。
愛犬を予防することで、誰かの愛犬の予防にもなります。