飼い主さんの帰宅時などに、犬が駆けよると同時にするおしっこ「うれしょん」。
全身で喜んでくれるのはうれしいですが、毎回おしっこされてしまうと後片付けも大変です。
実家で飼っていた犬も、子犬の時はよく帰宅時にうれしょんをしていました。
気づかずに踏み出すと、靴下がぬれて不快な思いをすることに・・・
我が家の場合は成長とともになくなったのですが、成犬になっても続いてしまうことがあります。
この記事では、犬がうれしょんをする原因と、させないための対策についてお話します。
また、「うれしい」以外にも「怖い」からおしっこをしてしまうびびしょん(びびりしょん)をすることがあります。
疲れて帰宅したとき、愛犬の愛情表現が変わってくれると、さらに癒されること間違いなしです。
なぜうれしょんをしてしまうの?
犬は興奮状態になると、おしっこをもらすことがあります。
帰宅したときにうれしょんすることが多いのは、お留守番で不安な気持ちだったところに家族が帰ってくるため、会えてうれしい気持ちが爆発してしまうためです。
さらに、繰り返すことによって「飼い主さんが帰ってくるとおしっこが出る」と反射のようになってしまいます。
犬は慕っている人(犬)の前でおしっこを漏らすことで、「あなたを慕っています。」とアピールする習性があります。
慕っているというのは、大好きだけでなく、威圧的に感じている場合もあります。
「怖いから逆らいませんよ。」ということです。
うれしょんしやすい犬
1.子犬
子犬の頃は警戒心が少なく、ほとんどの犬や人を慕っているような状態なので、うれしょんはよくみられます。
まわりの刺激に対しての反応も大きいので、興奮しやすく漏らしやすくなります。
また、おしっこをためておく筋肉が未発達という理由もあります。
そのため成長とともに落ち着く場合が多いです。
2.小型犬
小型犬も体が小さいため、自分より大きい犬や人に囲まれた環境です。
そのため、「慕ってます」のアピールでうれしょんをしやすくなります。
オスよりメスに多くみられます。
3.興奮しやすい犬
うれしょんは興奮が引き金になるので、うれしくて激しくテンションが上がる子はしやすくなります。
4.飼い主さんに依存している子
飼い主さんとべったりで甘えん坊で、離れると不安に思ってしまう子は、飼い主さんと会えた時の興奮が強くなるので、うれしょんしやすくなります。
ただ、毎日一緒にいる飼い主さんと会うたびに興奮してしまうのは、犬にとってもストレスです。
うれしょんをさせないようにするには、関係の見直しが必要になります。
「ふつうのおしっこ」と「うれしょん」はどうちがうの?
出ているものは同じおしっこです。
うれしょんは、ふつうのおしっこと比べて、量が少ないことが多いです。
けれど、出る量は個体差、膀胱のおしっこの溜まり具合などで差があり、少量の子もいれば、けっこう出る子もいます。
ふつうのおしっこは、する前に床を嗅ぎまわったり、くるくる回ったりする行動が多くみられますが、うれしょんは飼い主さんの帰宅時などの興奮した状態で急にします。
うれしょんは病気なの?
大丈夫です!うれしょんは病気ではありません!
けれど、泌尿器系の病気でおしっこが出てしまうことがあります。
うれしょんの場合は、帰宅時など特定のシチュエーションでしてしまい、興奮していることが多いです。
病気の場合はおしっこの間隔が狭かったり、痛がる、おしっこに血が混じっているなどの症状で見分けられることがあるので、注意して観察してあげましょう。
特定の人だけにうれしょんするのはなぜ?
その人に対して特に依存している可能性が高いです。
以前出張トレーニングにお邪魔したお家で、他の家族が家にいるにもかかわらず、「お母さんが帰ってきた時だけ、うれしょんしてしまう」というご相談を受けました。
先ほど書いたように「犬は強く慕っている人の前でおしっこをする習性がある」ので、特にお母さんに依存していて、興奮しやすかったのだと思います。
また、帰宅時に「ただいまー!!」と高い声でなでたり、犬が興奮しやすい行動をする人はうれしょんされやすいです。
注意したいのが、「うれしょん」と勘違いされやすいおしっこ「びびしょん(びびりしょん)」です。
びびしょんは、恐怖や威圧感などのストレスからおしっこをする行動のことをいいます。
例えば、トリミングサロンでスタッフの方に犬を預ける時、おしっこをした場合です。
もちろんトリミングが好きな子もいますが、これからトリミングが始まることが分かり、ストレスを感じたため、びびしょんをしてしまいます。
「ある人に会うたびにおしっこをしている。」という時は、その人のことを威圧的に感じていることもあるので、必ずしも喜んでいるわけではありません。
しっぽが下げながら振ってへこへこしていたり、すぐに駆け寄らないで手前で止まったりしている場合は、ストレスを感じているサインです。
うれしょんは直るの?いつまで続くの?
子犬の場合は、筋肉が発達するにつれて自然に直ることが多いです。
けれど、うれしょんをそのままにしておくと、成犬になっても直らないことがあるので対策が必要です。
また、対策をしても生涯うれしょんをし続ける子もいます。
1.興奮させない
家に帰ってきてもすぐ犬のところへは行かずに知らんぷりします。
ちょっとかわいそうな気持ちになりますが、目を合わせるだけでも興奮してしまう子もいます。
声をかけず、触らず、静かになった時を見計らって、犬のところへさりげなく近づきます。
日ごろからクレート(硬い素材でできた犬専用の部屋)で落ちついていられるようにするのも大切です。
2.おしっこをする体勢にしない
犬と家にいて、家族が帰ってきたときにおすすめの方法です。
玄関に走っていく犬を落ち着かせるために、もともと家にいた家族が指示をします。
「おすわり」「ふせ」など、うれしょんしにくい姿勢になる指示を教え、うれしょんしそうな状況になったらすぐに指示を出します。
落ち着きやすい姿勢でもあるので、「興奮させない」という効果もあります。
犬だけがお留守番していたところに帰宅するときは、「指示を出す」=「声をかける」になり、興奮してしまう可能性があるので、愛犬の反応を見てやり方を選ぶ必要があります。
日ごろから興奮しているときに指示を聞く練習をしてみましょう。
3.うれしょんしてもいいことがないと教える
抱っこしたときにうれしょんしてしまう子の場合は、うれしょんしたらすぐに犬を下ろし、無視します。
「うれしょんするとだっこが終わる」と教えることでしにくくなります。
絶対に怒らないこと!
飼い主さんを慕っている気持ちからくるものなので、怒ると余計に悪化する可能性があります。
4.事前にトイレを済ませておく
家族が犬と一緒にお留守番していて、うれしょんの対象になる人の帰宅時間が分かっている場合は、事前におしっこをさせておきます。
膀胱におしっこが溜まっている時だけうれしょんし、少ないと出ないことがあります。
帰宅時に「興奮させない」ことと同時に行います。
5.犬が安心できる関係を目指す
愛犬に対して強く叱ったり、体罰をしたりすると、恐怖からおしっこをもらしてしまいます。
「服従関係」ではなく「親子関係」を目指しましょう。
また、女の人で多いのが、高い声で素早く動き、愛犬を興奮させてしまうことで、おもらししてしまう状況です。
愛犬を興奮させないよう、落ち着いて動いてみて、愛犬の反応を比べてみてください。
どうしても直らないときは?
子犬の筋力の発達には個体差があり、1歳を過ぎた成犬になってからしばらくして直る子もいます。
けれど、根気強く教えていても完全に直らないこともあります。
飼い主さんもストレスをためないよう、ペット用のオムツやマナーベルトをして対策するのも方法の1つです。
ペット用オムツもありますが、人のベビー用のオムツを代用することもできます。
(しっぽの穴を空ける必要があります。)
男の子用マナーベルトの簡単な作り方はこちら
うれしょんのタイミングが帰宅時だけなら、玄関に洗えるマットをひいておくのも楽です。
価格:3,680円 |
まとめ
- うれしょんは子犬の愛情表現
- 子犬のうれしょんは筋肉の発達で自然に直ることが多い
- 対策は興奮させないことが一番
- おしっこをする体勢にしない
- うれしょんをしてもいいことがないと教える
- うれしょんと間違えやすいびびしょん(びびりしょん)に注意