スイッチが入ると、なかなか治まらない犬の興奮。
飼い主さんの声も届かなくなってしまいますよね。
我が家の保護犬も興奮しやすいタイプです。
迎えた当初は、洗濯を畳んでいると興奮してガウガウ言いながら寄ってきていました。
(おそらく床に座るとかまってもらえると期待しているからです・・・)
はじめは手にじゃれてきて、なでているうちに興奮度が増し、甘噛みにエスカレートすることがありました。
実は犬の興奮は、人にとって困った行動を引き起こす起爆剤になる可能性が高いんです。
逆に言うと、「犬を興奮させなければ困った行動は起こりにくい!」ということになります。
この記事では、犬が興奮する理由と、興奮した時の対処法について解説しています。
犬が興奮する理由は様々で、状況により対処法が変わります。
大切なのは、日ごろから興奮する状況を作らないことです。
犬が興奮すると起こるリスク
- 相手の人や犬にケガをさせる
- 物を壊す
- 脱走
- 飼い主がケガをする
- 犬自身がケガをする
お家の中で興奮した場合、走り回ったり、吠え始めたりが始まりますよね。
壁に衝突したり、しっぽがぶつかったりして、物を壊してしまうことがあります。
周りにいる家族や、犬自身もケガをする危険があります。
もしこれが外だったら、通行人に飛びついてケガをさせてしまったり、犬同士のけんかに発展する心配もあります。
興奮すればするほど、飼い主さんの注意が届かなくなり、犬自身も感情をコントロールするのが難しくなってしまいます。
犬にとって興奮状態になりすぎるのはいいことなしです!
まずは何に興奮しているかを知る
大きく分けて「好きなこと」と「嫌いなこと」に対して興奮します。
来客、車、おもちゃ、雷など犬により様々です。
お家の子がどんなことで興奮するのか、好きなのか嫌いなのかを観察します。
病気が関係していることも
てんかんや認知症などの病気が原因で、興奮状態になることもあります。
「おかしいな?」と思ったら、獣医さんに相談するのも方法の一つです。
犬が興奮したときの対処法
1.まず飼い主さんが落ち着く
犬が興奮すると、飼い主さんも慌てて一緒に興奮してしまいがちです。
「ダメ!」と高い声で叱ったり、素早く動いたりすることで余計に興奮させてしまうことがあります。
飼い主さんが落ち着いて接することが一番最初にすることです。
2.興奮する対象を取り除く
何に興奮するか分かったら、それを取り除くのが一番簡単な方法です。
おもちゃやおやつなど好きなものを見た時に興奮する場合、落ち着くまでしまっておくことで、興奮が冷めていきます。
苦手な犬やバイクが近づいてくる時は、近くなるほど興奮が増すので、ルートを変えたりして興奮しすぎない距離を保ちます。
遠くからすれ違うことができると、犬にとっても自身になり、少しずつ慣れてくれることもあります。
無理に合わせないようにするのがポイントです。
3.切り替えさせる
警戒や威嚇で興奮している場合は、おやつや好きなもので意識をそらすことで切り替えられることがあります。
我が家の保護犬も、車が嫌いで吠えながら突進していこうとします。
散歩のときは必ずソーセージタイプのおやつを持ち歩き、車が来たら犬を呼んでかじらせながら車が通りすぎるのを待ちます。
最初は興奮して見向きもしませんでしたが、徐々に車に慣れてきたこともあり、ソーセージおやつがあればほぼかわせるようになりました。
他にも、お散歩で苦手な犬とすれ違う時や、大好きなボールで遊んでいる子どもの前を通過する時などに有効です。
口笛など変な音を出して意識をそらせる方法もあります。
4.無視する
飼い主さんの帰宅がうれしくて興奮するような場合、無視するのが一番です。
「黙って目だけ合わせる」ことや「今はなでないよー」と声をかけて通り過ぎることも、犬にとっては無視にならないのでご注意を。
子犬がうれしくて興奮している場合も、無視して落ち着くまで待つことが効果的です。
子犬にとって周りのものは何でも興味の対象になります。
飼い主さんと目が合うだけで、うれしくて興奮してしまう子も多いですよね。
つい高い声でたくさん遊びすぎてしまうと、興奮しやすくなり、成犬になってから困ってしまうことがあります。
テンションが高いほど喜んでいるというわけではないので、愛犬が落ち着いて過ごせるように接してあげましょう。
5.クレートに入れる
花火や雷など恐怖からくる興奮の場合、安心できるところにいることで落ち着けることがあります。
ふだんからクレート(硬い素材でできた犬専用の部屋)を犬が落ち着ける場所になるよう準備してあげましょう。
さらに周りが見えないように、毛布などを掛けて目隠しするとより安心してくれることがあります。
興奮のあまり毛布を引き込んで食べてしまわないように注意して見てあげてください。
効果はその子次第ですが、便利グッズもあります。
花火や雷でパニックを起こすときの対処法はこちら
犬が花火や雷におびえてかわいそう・・・いつか慣れてくれるの?
クレートの生活に慣れるためのステップはこちらの記事に載せています。
6.指示(コマンド)を出す
「おすわり」「ふせ」「まて」などの指示を出すことで、犬が動かないようにします。
とくに、「おすわり」や「ふせ」はその姿勢から吠えることが難しく、落ち着きやすくなると言われています。
数秒でも指示を聞いてくれれば、切り替えられる可能性が高いです。
すぐに興奮しない子にするには
もともとの性格から興奮しやすい子がいるのも事実です。
神経質な子や、逆に物怖じしない子は興奮しやすい傾向があります。
他にも、子犬の時の経験が重要になります。
小さい頃から色々人、物、状況に慣れさせることで、臨機応変に対応できるようになり、興奮しにくくなります。
飼い主さんが日ごろ意識することは、愛犬が何に興奮しやすいかを知り、その状況を作らないようにすることです。
興奮状態になる前に我に返れるよう、「興奮してきたな」と思ったタイミングでコマンド(オスワリやフセなど)を出して、犬をコントロールします。
興奮しすぎない生活を続けることで、すぐに興奮しにくくなっていきます。
どんな状況でも指示を聞けるようにする
「アイコンタクト」「おすわり」「ふせ」がどんな状況でもできるようになれば、多少興奮しても犬をコントロールできます。
まずは、家の中でできるように練習し、次に外、苦手な状況とレベルアップして色々な場所で練習していきます。
犬は何をしていいかわからない状況の時、パニックから興奮する場合もあるので、指示を出すことで犬にとって頼もしい飼い主さんになり、安心できることがあります。
まとめ
- 「犬が何に興奮するのか?」「好きなのか、嫌いなのか?」を観察する
- 理由に合った対処法を選ぶ
- 日ごろから興奮させない環境をつくり、しつけをすること