愛犬が玄関チャイムに吠える問題(ピンポン吠え)を抱えている飼い主さんはかなり多いと思います。
以前、私おだんごが出張トレーニングをしていたときも一番多い相談でした。
家族が帰ってくるたびに吠えてしまうと、ご近所迷惑にならないかと心配になりますよね。
毎日のこととなると、飼い主さんのイライラも募る一方だと思います。
1日で吠えなくなる子もいるようですが、ほとんどの子は時間がかかります。
また、せっかくしつけをして吠えなくなっても、継続しないとまた戻ってしまいます。
我が家の保護犬も迎えた時から玄関チャイムに吠えていました。
今も絶賛練習中ですが、2,3回の吠えで治まるようにはなってきました。
犬が玄関チャイムで吠える理由と、実際に我が家が試したしつけ法の効果について発表したいと思います。
玄関チャイムに吠える理由
- 玄関チャイムが鳴る=来客の条件付け
- 犬種により敵や獲物を飼い主に知らせる習性がある
- 神経質な性格
1.玄関チャイムが鳴る=来客の条件付け
たいていの犬が電子レンジの音やお風呂の沸けた音には反応しないのに、玄関チャイムの音には反応しますよね。
これは「玄関のチャイムが鳴る」と必ず「来客」が来るからです。
知らない人が自分の縄張りに入ることを警戒して吠えます。
さらに吠えやすくなってしまう原因は、来客がすぐ帰るからです。
荷物の受け取りなどの用事が多いので、終わると来客はすぐに帰っていきます。
犬にとっては自分が吠えて追い返したという自信になってしまうのです・・・
ほかの原因としては、チャイムが鳴ると飼い主さんは慌てて玄関に向かいます。
この慌てた動きにより、ただならぬ相手が来たような空気になってしまうのです。
来客がうれしい犬にとっては、喜びで興奮状態なため吠えてしまいます。
犬の様子を見て来客に対して「警戒している」のか「うれしい」のか見極める必要があります。
ちなみに我が家の犬は警戒吠えです。
2.犬種により敵や獲物を飼い主に知らせる習性がある
狩猟犬として仕事をしていた犬種は吠えやすいといわれています。
敵や獲物を見つけると吠えて飼い主に知らせていました。
ダックスフンド、ビーグル、テリア系などの犬種で、声も大きめです。
また、番犬として働いていた柴犬も来客に吠えやすい犬種です。
3.神経質な性格
性格によっても吠えやすさが変わります。
神経質だったり、怖がりな子は吠えやすくなります。
小型犬はこういう性格の子が多いので吠えやすいです。
生まれ持った性格もありますが、犬が色々な経験をするべき時期(社会化期)に経験できなかったことで、新しい音や環境に慣れることができず、敏感に反応してしまうことがあります。
しつけが難しい理由
いつ玄関チャイムが鳴るかわからない
多くのしつけの場合、その状況に徐々に慣らしていくことで解決できるのですが、玄関チャイムはいつ鳴るかわかりません。
不意にくることで、犬がより敏感に反応しやすくなります。
1人だと練習しにくい
家に一人でいると、チャイムが鳴った時に来客の対応をしなければいけないので、犬にしつけをするのが難しくなります。
玄関チャイムに慣らす練習をしようとしても、チャイムを押す人と犬に指示をする人の2人で行う必要があります。
また、1日集中的に練習して吠えなくなっても、定着するまで継続しないと、不意になるチャイムにまた反応してしまいます。
我が家が試したしつけ法
玄関チャイムの音の調整
玄関のチャイムの音量を一番小さく設定しました。
それでもけっこう音が大きいです。
音の種類もできるだけマイルドなものを選びましたが、どれもそれほど変わりませんでした。
これだけでは吠えはストップしませんが、刺激のレベルを下げることができました。
You Tubeで玄関チャイムの音を聞かせる
似た音を探して何度も再生してみました。
我が家のチャイムの音と同じではないので、最初は少し警戒したものの、あまり反応しませんでした。
我が家の犬には効果が薄いようでした・・・
家の玄関チャイムの音を録音して聞かせる
スマホのボイスレコーダーの機能を使って、家のチャイムの音を録音しました。
最初は吠えましたが、音量を下げ、何度も連続で聞かせていくと、3,4回目くらいから首を傾げるだけになりました。
ただ、毎日聞かせていないので、間が空くとまた吠えてしまうと思います。
継続して聞かせてみて、実際のチャイムでどんな反応をするか、改めて検証したいと思います。
玄関チャイムがなったらおやつをまく
ぶっつけ本番になりますが、荷物の配達などの用事でチャイムが鳴った時にした方法です。
- 小指の爪ほどの小さいおやつをたくさん用意し、すぐ手の届くところに置いておきます。
- 玄関チャイムがなったら、おやつをばらまきます。
- 犬が食べている間に落ち着いて来客の対応に行きます。
この方法が一番効果を発揮しています。
「毎回おやつで釣るのは・・・」と思われがちですが、数回やっていくうちに、犬も「チャイムがしたらおやつチャンス!」と意識してこちらに寄ってきます。
「チャイムが鳴ったら警戒」から「チャイムが鳴ったらおやつ」といいイメージになるので、犬の精神にもメリットがあります。
最初は狂ったように吠えていましたが、徐々に興奮のレベルが下がってきました。
おやつの量を減らしていき、今はフード2,3粒で落ち着きます。
その間吠える回数は2,3回です。
おやつをばらまく代わりに、おやつを詰めた知育玩具をあげたところ静かな時間が増えました。
玄関で立ち話になりそうなときおすすめです。
お家の子がどういうおやつなら集中して楽しめるか、試してみるのがいいと思います。
私はぶっつけ本番でやりましたが、このステップは、玄関チャイムに吠える犬の慣らし方として一般的な方法です。
集中的に行うと効果が出やすいので、チャイムを押してくれる協力者がいたら、事前に練習することができます。
結果
吠える回数は2,3回に減ってきていて、興奮レベルも下がってきましたが、まだまだ練習が必要です。
私が玄関で話をしているときにまた数回吠えることがあるので、視界から消えたあとでも落ち着けるよう、指示でハウス(クレート)に入れる方法も試してみたいと思います。
玄関チャイムに吠えないようにするポイント
- 玄関チャイムに吠えないようにするしつけ法はネットにたくさん載っています。
罰を使ったものはおすすめできないので、犬が嫌な思いをしないで取り入れやすいものから試しましょう。 - 継続が大切。すぐに吠える回数ゼロを目指さず、減っていることをほめてあげましょう。
- おやつばらまきや知育玩具は対処ですが、悩んでいる方にとっては効果を感じられるはず。犬の興奮レベルが下がってきたら、ハウスやマテなどの指示をしてステップアップします。
- 犬の性格や環境、飼い主さんの対応などにより効果のあるしつけ法が違います。
色々な方法を試して、愛犬に効果があるしつけ方法を見つけましょう。