犬が車に向かって吠えるのはなぜ？その理由と直す方法をドッグトレーナーが解説

犬が散歩中に、車に吠えて困っている飼い主さんは多いです。

わが家の保護犬も迎えた時から車に吠えてしまい、直すにの一番苦労している行動です・・・。
特に車に向かって行ってしまうので、事故の危険もあり早急に取り組まなければいけませんでした。

日々車とすれ違う練習をして、迎えてから３年たった今では、ほぼ吠えずに通過できるようになりました。

実は、犬が車に吠えるのには本能も関係していることがあり、改善するのに時間がかかります。
けれど犬が吠える理由を知り、正しい対処をすることで、車に慣らしていくことができます。

お家の子が何で吠えているのかを探り、「これをしたら吠えない！」が分かると、散歩に出る時の気持ちがずっと楽になりますよ。

犬が車に吠える理由

犬が車に吠える理由は大きく分けて３つあります。
これらが合わさっている場合もあります。

1. 本能のため
2. 怖い・警戒している
3. 縄張り意識から

１．本能のため

犬は動くものを追いかける本能があります。
これは獲物を捕まえるための名残です。

また、牧羊犬など動くものを追いかける仕事をしてきた犬種は反応しやすくなります。
ボーダーコリーやコーギー、シェットランドシープドッグなどがあてはまります。

２．怖い・警戒している

車はその大きさや速さの迫力だけでなく、大きな音を出している場合があります。
犬は大きな音が苦手なので、おびえたり、興奮してしまいます。

小さい頃（生後２，３か月くらい）から車を見て育ち、安全だと分かっていると反応しなくなります。
けれど、散歩デビューが遅かったり、車に出会った経験が少ないまま成犬になると吠えやすくなってしまいます。
これを「社会化不足」といいます。

過去に「車にぶつかりそうになった。」「急にクラクションを鳴らされて驚いた。」など怖い経験から、会うたびにパニック状態になってしまうこともあります。

３．縄張り意識から

お散歩コースは大体決まっているお家が多いと思います。
同じコースを散歩していると、犬にとって自分の縄張りのような感覚になります。

特にオスの方が縄張り意識が強く出やすく、侵入者に対して警戒吠えをすることがあります。

そのため、自分にとって危険な動きをする車を追い払おうと吠えてしまいます。

直すのが難しい理由

車はいつ来るかわからないので、慣らす練習がしづらくなります。
不意に出会うと犬も驚いて興奮しやすくなり、飼い主さんも対処が遅れてしまいます。

また先ほどお伝えしたように、本能からくることもあり、本能を抑えるのは難しいという理由もあります。
けれど、吠えかかるのは危険なことなので、しっかり対処する必要があります。

さらに、吠えは習慣化すると直すのに時間がかかります。
車に対しだけでなく、玄関チャイムへの吠えなども同じです。

車に対する吠えの対処のしかた

1. 興奮させたまま散歩に行かない
2. 車の少ない散歩コースにする
3. 犬より先に車に気づく
4. 車に慣れさせる

①　興奮させたまま散歩に行かない

散歩に行く前に、うれしくて興奮している犬は多いです。
その興奮状態のままそのに出ると、引っ張りにつながり、周りの刺激に過敏に反応しやすくなります。

散歩の準備をした時犬が興奮していたら、散歩に出る時間を遅くしたり、外に出た後に玄関付近を歩き回ったり、興奮が落ち着いてから進むようにします。

②　車の少ない散歩コースにする

車に飛びかかろうとするなど激しく反応する犬の場合は、安全確保が最優先です。

できるだけ車通りの少ない道を選んだり、静かな時間帯に散歩に出るなど車に会わないように工夫すると、飼い主さんの負担も少し減り、散歩しやすくなります。

③　犬より先に車に気づく

犬より先に車に気づくことで、事前に対処の準備をすることができます。

車が見えないように道を変えたり、おやつやおもちゃで気をそらして対処します。

車が向かってきたら、車と犬の間に入り、犬に「車が来たのはわかってるよ。安心して！」というアピールをすることで、犬が車とすれ違えることがあります。

「まて」や「おすわり」の指示を出すのも効果的です。

散歩中は耳を澄ませて、犬より先に車に気づくようにしましょう。

④　車に慣れさせる

時間はかかりますが、これが一番大切な項目です。

犬に「車を怖がらなくても大丈夫。」ということを分かってもらわなければいけません。

どの距離なら吠えずにいられるか検証し、吠えないでいられるところから慣らす練習をしていきます。

まとめ

犬が車に向かって吠える時の対処のしかた

1. 興奮したまま散歩に出ない
2. 車の少ない散歩コースにする
3. 犬より先に車に気づく
4. 車に慣れさせる