子犬にとって初めての外の世界。
愛犬がどんな反応をするか記念すべき瞬間ですよね。
「子犬の散歩デビューは最後のワクチン接種が完了してから。」と言われていますが、もっと早くから準備しておくことで、将来愛犬がストレスを感じにくく過ごすことができます。
なぜなら、ワクチン接種が完了する生後3カ月より前が、愛犬の人生で一番物事を吸収できる時期だからです。
ストレスを感じにくくなると、「うなる」や「吠える」などの困った行動が出にくくなり、飼い主さんにとってもストレスのリスクが減ることになります。
この記事では、子犬の散歩デビューの時期やはじめ方、散歩の時間や注意することなどをまとめています。
少し長いですが、これらをしっかり押さえておくことで、将来起こりえるトラブルをできる限り回避することができます。
愛犬が外の世界を好きになってくれると、いつかドッグカフェやアウトドアなども一緒に楽しめるようになりますよ。
子犬の散歩は大切な勉強の時間!
運動やストレス発散のためだけでなく、飼い主さんとのコミュニケーションのためにも、散歩は大切な時間です。
子犬の場合、外からの刺激に最も慣れやすい時期(社会化期)があります。
生後3週齢~12週齢(生後1か月~3カ月くらい)で、この時期に色々な経験をさせることで、成犬になったとき新しいことに慣れやすくなります。
生後3カ月を過ぎると、徐々に警戒心や恐怖心が出てくるようになります。
そのため、生後3カ月になる前に外の世界に慣れておくことは、愛犬と飼い主さんの将来にとってとても重要なことなのです!
では、「感染症に気をつけながら外の世界に慣れるにはどうしたらいいのか?」について、次で説明しています。
子犬の散歩はいつからしていいの?
ワクチンを打ち終わってから散歩デビューではもったいない!
子犬の散歩デビューは、狂犬病などのワクチンを打ち終わり2週間経ってからといわれています。
接種したばかりだと、まだ抗体がしっかり作られていない可能性があるからです。
2週間くらいで抗体が作られ、感染症から体が守られた状態になります。
ワクチンを打った日は、激しい運動やストレスのかかることはせず、穏やかに過ごしましょう。
けれど先ほどお伝えしたように、子犬には最も色んなことを学べる時期(社会化期)があります。
ワクチン接種を待っていると、この大切な時期をめいっぱい使うことができなくなってしまうのです。
抱っこ散歩なら最後のワクチン前でもデビューOK
地面を歩かせることで、感染症のリスクが上がるので、抱っこでお外に行くのがおすすめです。
外のにおいや音に触れるだけでも、社会化の練習になります。
飼い主さんとコミュニケーションをとりながら、初めてのお外に出ることで、外が怖いものではないと理解してくれるようになり、本番の散歩デビューのハードルも下がります。
犬用カートやキャリーバッグに入れて散歩の出るのもOKです。
この時、他の犬にはまだごあいさつはしないようにします。
リード、ハーネスの選び方
私の考えとしては、首輪でなく「ハーネス」をおすすめします。
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首輪の方がしつけがしやすいという意見もありますが、首輪を引っ張っぱらなくても指示を聞いてくれる関係を目指す方が、愛犬の健康にとっても良いと考えるからです。
引っ張りのある子の場合、呼吸器や骨格に負担がかかってしまいます。
特に短鼻種(チワワやパグ、フレンチブルドッグなど)は、呼吸器が弱いため注意が必要です。
愛犬が気にしないようであれば、首輪に鑑札や迷子札(ペットタグ)をつけ、散歩の時はさらにハーネスをつけるのが迷子防止のためにもおすすめです。
リードは、街での散歩の場合長さ1.4~2メートルほどで、革や布、ナイロン素材などの丈夫な物を使います。
伸縮性のリードは、万が一の時にすぐに引き戻すことができないので危険です。
また、ひもが細いのでよく見えず、他の人や犬が引っ掛かってしまうことがあります。
散歩は1日どのくらいの時間したらいいの?
必要な散歩の時間は犬種や年齢などにより違います。
目安は1日2回、小型犬で15分、中型犬で20分、大型犬で30分です。
ただし、犬種によってはもっと運動量が必要な場合もあります。
また、高齢犬などで途中で息が切れていたり、歩かなくなってしまう場合は、長すぎることもあります。
愛犬の様子を見て、必要な場合は獣医さんに相談し、1日1回にしたり、10分で切り上げたりと調節してあげましょう。
散歩に出る時間帯は?
暑すぎない、寒すぎない時間帯を選んで散歩します。
犬が快適と感じる温度は22℃~25℃なので、この気温の時がベストになります。
犬種によって、暑さに弱かったり、寒さに弱かったりするので、愛犬の犬種も参考に散歩に出る時間を決めてあげてください。
特に注意したいのが暑い日です。
犬は人よりも低い所を裸足で歩いています。
気温がそれほど高くなくても、マンホールなどの金属の上はやけどするほど暑いこともあるので、実際に地面に触って温度を確認しましょう。
散歩コースの環境も大切です。
人や車の交通量が多かったり、大きな音が出るようなところを歩くと、外に怖い印象がついてしまいます。
交通量が少なく、穏やかな散歩コース・時間帯を選んであげましょう。
散歩の時にしつけることはある?
散歩デビューの前にお家で散歩練習
① リード、ハーネスをつける練習をする
初めてハーネスをつけると嫌がったり、固まって動けなくなることがよくあります。
まず、お家の中でつける練習をします。
ハーネスは首から通すタイプや足を上げて通すタイプなど様々ですが、元気な子犬だと逃げてしまい苦労することがあります。
誰かに抑えていてもらうか、「おすわり」「マテ」を教えて指示している間だとつけやすくなります。
体を拘束されて嫌な印象がつかないように、おやつやフードを使い楽しい雰囲気で行いましょう。
嫌がる子には、ハーネスを見せるだけ、ハーネスを体に当てるだけ、首を通すだけ・・・
と細かいステップに分けて、徐々に慣らしていくことで、つけられるようになります。
特にバックルをはめる「カチッ」という音に警戒することが多いので、大きめの声でほめながら音をごまかしたり、おやつをかじらせながらすると成功しやすいです。
ハーネスがつけられたら、次はリードをつけます。
リードの注意点としては、子犬のおもちゃになりやすいことです。
たるんでいるリードをかじったり、引っ張りっこをしたり、遊ぼうとします。
できるだけ、犬の視界にリードが入らないようにつけ、使い終わったら遊ばれる前に片付けます。
リードをかじったらおやつと交換し、子犬のうちからおもちゃではないことを理解させます。
無理やり引っ張ると遊んでると勘違いされることも・・・
② 家の中を散歩してみる
実際外に出たときのように、リードを引っ張らずに歩く練習をします。
ピタッと横について歩かなくても、リードを引っ張らず、ちらっと飼い主さんを見ながら一緒に歩けたらOKです。
大切なのは犬の体に負担をかけないことと、万が一の時こちらにちゃんと戻ってくることです。
「アイコンタクト」の大切さと教え方についてはこちら
【犬の問題行動が芋づる式に解決?!】犬にまず教えたいたった1つのしつけ
【ドッグトレーナーおすすめNO.1のしつけ】アイコンタクトの教え方
犬が散歩中に引っ張る理由と、理想的な散歩方法についてはこちら!
初めての散歩ですることは
安全な所でたくさんにおいを嗅がせてあげましょう。
まずは外の世界に慣れることが大切です。
多少のひっぱりや、横にいないことは気にせず自由に探検してもらいます。
ただし、初めてならではの気をつけたいことがあるので、下の「注意すること」もご確認ください。
うんちは必ず持ち帰り、おしっこは水で流すなど自治体のルールに従って、自分も周りも気持ちよく散歩できるようにしましょう。
散歩の時に注意すること
1.初めから長時間の散歩をしない
初めての散歩の目標は、外の環境にいい印象を持つことです。
決めたコースを散歩しきるのではなく、家の前のにおい嗅ぎなどから始め、周りを探検させてあげます。
愛犬が怖がっていないようであれば、アイコンタクトを取りながら飼い主さんの横を歩く練習をします。
このとき、おやつを使うことでより楽しい印象がつきやすくなります。
怖がっている様子があれば、外の印象が良くなるように、おもちゃやおやつを使います。
見向きもしないときは、恐怖のレベルが高いので、無理せずお家に帰ります。
2.拾い食いに注意する
子犬は好奇心が旺盛なので、落ちている物を口に入れようとしやすいです。
危ない物が落ちていないか歩く先を見ながら散歩します。
特に、タバコや小石などを誤って食べないように注意します。
万が一口に入れてしまっても、慌てて取り上げようとすると、余計に丸飲みする危険があります。
口に入れる前なら気をそらしてそっと取り、口に入れてしまった場合はおやつなどと交換して取ります。
飲み込んでしまった場合は、飲んだものによっては動物病院へ行く必要があります。
3.他の犬に無理やりあいさつに行かない
犬にも相性があります。
子犬のうちから他の犬に会うことは、社会化のためにも重要なことですが、相手の犬が犬好きとは限りません。
無理やり会わそうとせず、遠くからすれ違う程度にします。
もし、散歩に慣れてきて相性がよさそうな犬と出会ったら、「わんちゃんとごあいさつしてもいいですか?」と飼い主さんに許可をとってから会わせます。
最初からドッグランデビューもトラウマになりやすいので注意です。
初めてあいさつする犬は、犬に慣れているお母さんのような性格だと安心です。
散歩で犬が歩かない時はどうしたらいいの?
犬なら喜んで外に出ると思いがちですが、子犬が初めて外に出る時、怖くて歩けないことはよくあります。
聞きなれない音や、色々なにおいなどの情報が一気に入ってくるためです。
無理やり歩かせようとせず、静かな公園まで抱っこで移動してにおい嗅ぎをさせてあげるだけでもOKです。
まずは、散歩が楽しいと知ってもらえるように、環境を整えてあげましょう。
まとめ
- 子犬の散歩は社会化のためにも大切
- ワクチン接種完了を待たなくても抱っこ散歩ならOK
- 散歩デビューの前に家の中で散歩練習をする
- 快適な温度で快適なコースを選んであげる
- 初めての散歩はコースを回るのではなく、におい嗅ぎをさせてあげる
- ピッタリ横について散歩させることより、アイコンタクトをとり、万が一の時は呼び戻せることが大切