お散歩中あちこちにする犬のマーキング。
ご近所のお家の塀にしてしまうと、トラブルの心配もありますよね。
芝生や公園なども、みんなが歩くところなので衛生面が気になります。
けれど、「犬の本能的な行動なのにやめさせるのもかわいそう・・・」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ドッグトレーナーの私おだんごは、お散歩中に極力マーキングをさせないようにしています。
この記事では、人と犬の共存を考えて、「私の考えるお散歩でのマーキングマナー」をお伝えしています。
お散歩のマナーを守り、愛犬がご近所の方にもかわいがってもらえるのは、飼い主としてもうれしいことですよね。
マーキングってなんでするの?
マーキングとは自分をアピールするために電柱などにかける少量のおしっこのことをいいます。
高い所にかけようとするのは、上書きされにくくするためと言われています。
目的は縄張りの主張の他に、犬同士の情報交換のためでもあります。
どんな犬がここを通ったか、オスかメスかなどおしっこのにおいから知ることができます。
(マーキングについてはまだ解明されていないことが多いので、新しい情報が入ったら更新したいと思います。)
マーキングっていつから始まるの?
自己主張が始まる生後5か月くらいからと言われていますが、かなり個体差があるようです。
4か月くらいからする子もいれば、8カ月ころからする子もいます。
もちろん全くしない子もいます。
小型犬の場合、生後4か月ごろから警戒心や縄張り意識が出るようになってきます。
そして、生後6か月ごろから人でいう思春期のような時期になり、周りの刺激に敏感になります。
「今までトイレができていたのに失敗が増えた。」「変な所でするようになった。」という場合は、この時期による心と体の変化が関係していることがあります。
飼い主さんにとっては反抗的な態度に感じることもあると思いますが、成長によるホルモンの影響を受けるので、犬たちにも制御が難しい時期でもあります。
100点満点とはいかなくても、今まで通り「いいこと」「悪いこと」をしっかり伝え続けることが大切です。
マーキングしやすい子
オスの犬
特に未去勢のオスは、ホルモンの影響を受けやすいので、マーキングしやすい傾向にあります。
縄張り意識の強い子
縄張りを主張する行動なので、縄張り意識の強い子はしやすくなります。
小型犬
大型犬よりも小型犬の方がマーキングが多い傾向があります。
小型犬は、大型犬と直接ケンカになると危険なので、回避するためにマーキングして主張していると言われています。
メスもマーキングすることがある
オスほど多くありませんが、メスの場合は発情期に合わせてマーキングをする子がいます。
特に主張の強い性格のメスがしやすく、オスのように足をあげてマーキングします。
避妊手術をすると自然に減っていくことが多いですが、避妊手術後でもマーキングする場合があります。
マーキングはやめさせた方がいいの?
公共の場でのマーキングはさせない方ががいいと思います。
理由① おしっこを我慢しているわけではない
本能的な行動ですが、根気強く教えればさせないようにすることができます。
出ているものはおしっこですが、トイレを我慢しているわけではないので、出さないとかわいそうというわけではありません。
「そもそもお散歩って何でするの?」と思った方はこちらを参考にしてください。
理由② 公共の場の衛生面
公共の場にしてしまうと、不衛生になるのでよくありません。
電柱の変色を見かけることがあると思いますが、長期間マーキングされ続けると劣化にもつながり、危険な場合があります。(先日、ペットのおしっこによって電柱が折れるニュースがありましたね。)
ご近所トラブルにもなりかねないので、お家でおしっこを済ませてからお散歩することをおすすめします。
万が一してしまったときは水で流せるよう、水を持ち歩きましょう。
(地域によっては水をかけることもよく思わない場合があるので、やはりさせないのがベストです。)
理由③ 犬の心も落ち着く
マーキングをさせないように散歩すると、マーキングしたい気持ちが減っていきます。
マーキングの跡が減るということは、周りの犬もおしっこの臭いでマーキングを誘発されにくくなります。
よってお家の子だけでなく、近所の犬たちも心穏やかにお散歩することができます。
いいサイクルです!
マーキングをやめさせるには?
1.マーキングする前に犬を呼び戻す
電柱や塀などお散歩コースでマーキングをしやすいところは決まっていると思います。
しやすい所ではリードを短く持ち、できるだけ近寄らないように散歩します。
マーキングするときは、たいてい臭いを嗅いでからその姿勢になるので、少しにおいを嗅いだら、マーキングする前に呼び戻します。
おやつを持ってお散歩に行き、呼んだ時にこちらへ来たらおやつをあげて歩くと、犬にとっても楽しく、注意をそらすことができます。
2.「ちがう」の合図を教える
我が家ではマーキングしそうになったら「ちがう」の合図を出します。
ちがうの合図は「あ」という言葉を発するだけです。
決して叱るのではなく、「それはちがうよ。」と犬に伝えるだけで、その行動をやめてお散歩にもどってくれるので、お互いストレスフリーです。
「ちがう」の教え方はこちらの記事に載っています。
【しつけにイライラしていた方必見】「ちがう」を教えると犬はこんなに変わる!
3.去勢手術を考える
去勢手術をすることで、ホルモンの影響を受けにくくなり、「マーキングしなければ!」というストレスから少し解放されます。
ただし、去勢手術をした直後からマーキングしなくなるわけではなく、徐々に減っていきます。
また、一度マーキングを覚えると自然になくなるわけではないので、させないように練習することが大切です。
4.事前にトイレを済ませてからお散歩する
外でトイレをすると、習慣化してしまい、なかなか部屋でやってくれなくなりますよね。
外でしかできなくなると、雨の日や体調が悪い日など、どうしても出られないときにがまんしてしまうようになります。
根気がいりますが、家でトイレを済ましてから外にお散歩に出るようにすると、マーキングせずにお散歩することができます。
5.犬用オムツで対処する
犬と一緒にお店に入る時など、してはいけない所にマーキングする心配がある場合は、犬用オムツで対処する方法もあります。
オス、メスでオムツの形が違い、サイズも幅広く分かれているので、胴回りなどのサイズを計っておくと選びやすくなります。
オスは胴に巻くタイプです。
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メスはしっぽの穴が開いているオムツタイプです。
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ちなみに我が家の犬はオスなので、ペットシーツを巻き付けただけの簡単なオムツ(マナーベルト)をすることがあります。
ただし、お散歩中のにおい嗅ぎはおすすめ!
犬は社会性がある動物なので、犬同士の情報交換はとても大切です。
また、1日のうち3分の1の時間をにおい嗅ぎに使っているほど、「嗅ぐ」ということは犬らしくいきるために重要な行動です。
お散歩中安全な場所を見つけて、自由ににおいを嗅がせてあげることで、他の犬の情報を得ることができ、ストレスも解消されます。
ふだん私たちのために、文句も言わずに寄り添ってくれる犬への恩返しのチャンスです!
まとめ
- マーキングはさせない方が周りの人にとっても犬にとってもメリット
- お散歩の前にトイレを済ます
- お散歩中マーキングしそうになったら呼び戻す
- 犬に「ちがう」の合図を教える
- 去勢を考える
犬を飼っていない方にとって、マーキング、フンの不始末の問題は気になるところだと思います。
犬の魅力を広めるためにも、周りの人に好感を持ってもらえるワンちゃん&飼い主さんペアを目指しましょう。