子犬や保護犬を迎えたばかりの時、なかなかケージから出てきてくれないことがあります。
けれど、無理やりケージから出そうとすると、うなったり咬みつかれることがあるので危険です。
また、いつもは部屋の中を自由に遊んでいるのに、急に自分のケージでうずくまって出てこないということもあります。
愛犬がケージから出てこないのには、「ケージが好きだから」以外にも理由があり、病気が関係していることもあるんです。
この記事では、愛犬がケージから出ずにうなっている時の理由と解決策についてまとめています。
生まれつき過敏な性格の子もたくさんいて、外の世界になかなか慣れることができない場合もあります。
焦って無理やり出してしまうことがないように、理由を探ってゆっくり慣らしてあげましょう。
犬がケージから出ずにうなる理由
「外の世界が怖い、慣れていない」という理由が多いですが、これらの理由が複数関係していることもあります。
ケージの中が好き
ケージの中が安心できる場所になっていると、休む時はケージにこもってしまい、一日の大半をそこにいるという子もいます。
特に子犬と高齢犬は睡眠時間が長いので、一日こもっているように感じることもあると思います。
飼い主さんが寝ている愛犬を起こしたり、ケージの中に手を入れると、警戒心が高まりうなられる原因になってしまうことがあります。
怖いものがある
外の世界に怖いものがあると、自分のケージから出てこなくなってしまうことがあります。
お家に来たばかりの子犬や保護犬などは、何日も出てこないことも・・・。
突然出てこなくなった場合は、ケージの外で何か怖い経験をしたり、いやな思いをした可能性があります。
「子どもたちが走り回っていて、ケージの外が騒がしい」「ケージの外だと怒られる」という経験もきっかけになることがあります。
体調が悪い
体に痛いところがあったり、調子が悪いと、自分の安心できる場所でうずくまってしまうことがあります。
こちらも突然起こることが多く、震えていたり、ずっと丸まっていたり、いつもと様子が違うと感じると思います。
動物は体調が悪いと、隠そうとして攻撃的になることがあるので、触らないようにしましょう。
反応があり、用事があれば出てくるようでしたら、経過を見守るのも一つです。
気になる症状があれば、動物病院に相談してみましょう。
寒さによることもあるので、部屋の温度が適温かどうかも確認してみましょう。
縄張り意識が強い
縄張り意識の強い子は、自分のケージの中を守ってしまい、手を出すとうなったり噛んだりする危険があります。
目の前を通過するだけでも「こっちに来るなよ!」とうなっている子もいます。
同時に、外の世界を怖がる神経質な子に多いと感じます。
犬がケージから出ない時の解決策
外の世界が安心できるように環境を整える
まずは、外の世界の何に対して怖いと感じているのかを知る必要があります。
- ケージがリビングにあり、家族の出入りや気配が頻繁で落ち着かない
- 窓際で外を通る車やバイクの音が気になる
など、大きく反応するものを調べ、できるだけ静かで落ち着ける場所にケージの置き場をお引越しさせます。
動物病院を受診する
ケガや病気が隠れている場合、まずは体調がよくならないと、治まることはありません。
動物病院を受診して、体調の悪いところはないか調べてもらいましょう。
飼い主さんがいれば大丈夫だと安心してもらう
怖いものがわかったら、それに馴れるための練習をすることがあります。
たとえば、掃除機の音が怖くてケージにこもってしまっている場合は
- 掃除機を遠くから見せる
- 掃除機を近くに置き、においを嗅がせたり、掃除機の上におやつを置いていい印象をつける
- 掃除機を愛犬のいない方向に動かして様子を見る
- 遠くで一瞬掃除機のスイッチを入れて、すぐに消す
- もう少し長い時間スイッチを入れてみる
と、このように愛犬が耐えられる少しの刺激から始め、徐々にハードルを上げていきます。
このステップももっと細かくしなければいけない子もいますし、一日で慣れてしまう子もいるので、その子にあったステップを考えてあげましょう。
外の世界に安心を感じたら、愛犬の方から出てきてくれるようになります。
保護犬はかなり時間がかかると思いますが、焦らずにその子のペースを見守りましょう。
苦手なものが花火や雷という子も多いですよね。
この二つは振動や気圧が関係していることがあり、慣れさせるのが難しいとも言われます。
対策についてはこちらの記事にまとめています。
また、飼い主さんはケージの中の絶対に入らないようにし、愛犬をそっとしておいてあげる時間を作りましょう。
外に出ると、家族に構われすぎて疲れ切っている子もいます。
犬は家族と一緒にいることが好きですが、独りでいるのが好きな子もいます。
愛犬の様子を見て、触られたり構われることが好きかどうかも気にしてあげましょう。
ケージの中にいる犬にしてはいけないこと
- ケージの中にいる犬を無理やり出す
- ケージに手を入れて触る
- 外から構いすぎる
- 寝ている犬を起こす
ケージの中は犬にとって安心で安全な場所である必要があります。
安心できる場所があると、生活の中でオンオフができ、心が安定して過ごすことができます。
ケージに手を入れてしまうと、安心できるところがなくなってしまうだけでなく、逃げられない状況になり噛むなどの攻撃に発展してしまうことがあります。
また、飼い主さんにも不信感が出てしまうと、他の行動にも影響が出て、負の連鎖になることも。
構ってほしい時は、愛犬が自分から出てくるので、ケージにいる時はそっとしておいてあげましょう。
まとめ
犬がケージから出ない時の解決策
- 外の世界が安心できるように環境を整える
- 動物病院を受診する
- 飼い主さんがいれば大丈夫だと安心してもらう
犬にとって安心できるスペースがあることは、とてもいいことです。
けれど、自分のお家が安心できないところになってしまうと、いつも気を張っている状態になるので、愛犬の精神的にもよくありません。
「自分のケージだけでなく、お家の中も安心で楽しいところ」とわかることと、「飼い主さんがいれば大丈夫」と飼い主さんといることが安心につながることが大切です。
安心できる環境を整えつつ、愛犬のペースで気長に見守ってあげましょう。