保護犬を知ってもらおうとすると、ペットショップが対極のようになりがちです。
「ペットショップは売れ残った子犬たちをどうしてるの?」
「もし子犬が怪我したり、病気になってもちゃんと病院へ連れて行かないんじゃないの?」
と不安に思う声も多く聞きます。
ペットショップのシステムについては問題があると思いますが、スタッフはみんな動物を第一に考えて働いています。
お店にいる子犬が体調を崩してしまったとき、巡回している獣医さんに診てもらったり、病院へ連れて行ったり、子犬を守る体制ができています。
以前ペットショップで働いていた私おだんごが見た、子犬の体調管理についてお話したいと思います。
子犬は体調を崩しやすい
子犬は想像以上にデリケートです。
数時間で低血糖(エネルギーが足りなくなりぐったりしてしまう状態)になってしまいます。
低血糖になると命の危険もあり、急いで病院へ行かなくてはいけません。
ごはんをよく食べてくれる子は比較的安心なのですが、マルチーズやチワワ、トイプードルなどは食が細い子が多く、一回のごはんで完食できないことがあります。
さらに、小さいうちに親から離されてしまったショックと、長距離の移動で疲れていて、一層ごはんを食べてくれない状態になってしまいます。
お店に来る子犬の月齢は2か月くらいなので、まだ警戒心がない時期なのですが、ショックで強ばった表情をしていたり、心を閉ざしたような反応の子もいました。
スタッフは頻繁に体調を確認して、食べない子には特別メニューを作ったり、手でごはんをあげたり必死で食べてくれる方法を考えます。
万が一体調を崩してしまうと、裏でお休みしている期間に家族が決まるチャンスを奪ってしまうことになります。
さらに、社会化(いろいろな経験をして慣れること)が遅れてしまいます。
子犬たちの健康を保つことは、その子の人生に大きく影響することだと意識してお世話をしていました。
大手は定期的に獣医さんが来てくれる
付属の動物病院があり、週に1度獣医さんの往診がありました。
そのときに予防接種をしたり、体調の心配な子を診てもらったりしていました。
薬が必要な場合は処方してもらい、お店に常備している薬を指示に従ってあげます。
緊急時には近くの動物病院に連れて行き診てもらいます。
しかし、一部のペットショップでは、このような体制がないところもあるようです。
店長さんが自分のお金で動物病院に連れて行かなければいけないところもあり、すぐに病院で診てもらえない子もいると聞いたことがあります。
体調を崩さないための予防
子犬たちの健康のため衛生管理には注意を払います。
1頭1頭ゴム手袋を変えて世話をし、消毒を徹底して感染症のまん延を予防します。
子犬たちは遊び疲れても体調を崩すことがあります。
犬同士のじゃれあいも、時間を見ながら休憩タイムを作ります。
最後に
ペットショップから子犬を迎える方はまだまだ多い現在。
どこから迎えても犬には変わりなく、どの子も大切です。
ペットショップから迎えられた子が生涯大切に育てられることで、保護犬も減少します。
今後日本でも生体販売が禁止になる可能性がありますが、それまでにペットショップ側も基準をしっかり設け、みんなに信頼されるお店になっていくことを願っています。