「ペットショップにはかわいい子犬がたくさんいるけれど、売れ残ってしまったらどうなるんだろう。」
多くの人が疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
私もずっと疑問に思っていました。
ペットショップの裏側はどうなっているんだろうか?
それが知りたくてペットショップで働くことにしました。
私が働いていた、某大手ペットショップでの子犬の値段の決め方と、行き先についてお話したいと思います。
ペットショップにいる子犬の値段はどう決まるの?
同じ犬種なのにお店によって値段が全然違うことありますよね。
子犬の値段は誰がどうやって決めているのか。
私が働いていたところは主に店長が決めていました。
値段を左右する要因
- 人気犬種
トイプードル、チワワなど人気犬種は値段が高くなります。
また、人気の毛色や珍しい毛色は高くなります。 - お店の立地
一等地の店舗の方が地方より高くなる傾向があります。 - チャンピオン犬の血統
チャンピオン犬の血を引いている子は高くなります。 - 欠点
特徴と呼んでいますが顎が出ていたり、でべそだったり、チェック項目の該当数が多いと安くなる傾向があります。 - サイズが小さい
豆柴やティーカッププードルと呼ばれるように、その犬種の中でも小さい子は人気で高くなります。 - 顔がかわいい
顔立ちも値段を左右するポイントでかわいい子は高くなります。 - 月齢
月齢が上がっていくと安くなっていきます。3カ月くらいから値段が下がっていきます。
そのほか、土日のお客さんが多いときや、○○セールなどで安くなる場合もありました。
ペットショップで売れ残った子はどうなるの?
結論から言うと、私が働いていた2年間では売れ残った子はいませんでした。
大手ペットショップだったので各地に店舗があり、月齢が上がってくると移動がありました。
お店によって猫が人気だったり、大型犬が人気だったりと傾向があるので、家族が決まる可能性が高い店舗に移動になります。
ネット上でも移動した子の情報を見ることができたので、その後ちゃんと家族が決まったか見届けることができました。
生後2か月くらいでお店にやってきて、3カ月くらいから値段が下がっていきます。
そのため、スタッフも早く家族が決まるようにと必死でケアします。
そして、ほとんどの子が生後半年以内には家族が決まっていきました。
私が見た中で1番月齢が高い子は9カ月の猫でしたが、ちゃんと家族が決まりました。
ただ、値段の安さで迎えらえられた子はその後幸せになっただろうかと心配になることがあります。
「命に値段をつける」ことに抵抗感はありますが、値段に守られている一面も感じました。
販売できない子はどうなるの?
犬の場合
一度家族が決まったものの、色々な事情でお店に帰ってきてしまうことがまれにありました。
滅多にありませんでしたが、そういう場合はスタッフに里親募集がかかりました。
実際に、社員が引き取った子もいました。
小動物の場合
お店に到着したらヒレが曲がっていて販売できない熱帯魚、ケンカしてケガが残ってしまったハムスターなど販売できない子が出てしまうことがありました。
お店で飼う場合もありましたが、そのお店のスタッフが飼う場合がほとんどでした。
私もヒレの曲がった熱帯魚(ベタという種類)を引き取り約3年間一緒に暮らしました。
ペットショップのスタッフは、もちろんみんな動物が大好きです。
ブラック企業と呼ばれる拘束時間でも、最低賃金でも働いているほど動物好きなので、ほとんどのスタッフがお店の動物を引き取ったり、購入したことがありました。(もちろん自発的にです。)
さいごに
実際に働いてみて、大手では売れ残りがほぼないことがわかりました。
月齢が上がると、値段が下がることや、「ずっとお店にいてかわいそう」と思う方が現れることから、家族がどんどん決まっていきました。
ただ、小さい規模のお店だとどうなってしまうのかと不安になりました。
家族が決まる可能性が高まるからといって、子犬を長距離移動させることにも問題があります。
狭いケースの中で何時間も過ごさなければならないので、体調を崩してしまう可能性があります。
色々な事情でペットショップに返されてしまった子は、スタッフが引き取っている場合が多く、何頭も迎えているスタッフもいました。
お店の子をお世話しているうちに情が湧きやすく、私も犬を飼える環境だったら、迎えていたかもしれないと感じます。
けれど、スタッフに頼る運営ではいつか支障が出てしまいます。
家族が決まらない子、販売できない子を守るシステムが早急に必要だと感じました。