ドッグトレーナー業界では、トレーニングは「アイコンタクト」に始まり、「アイコンタクト」に終わるといわれるくらい重要なものとされています。
なぜなら「アイコンタクト」をマスターすると、犬が飼い主さんを意識するようになり、状況や気持ちを察してくれやすくなるからです。
犬が「今は静かにしていよう。」や「飼い主さんから指示が出そうだぞ!」と自分で判断することで、悩んでいた犬の行動が次々と解決に向って行くようになります。
実際私も、「アイコンタクト」を意識するようになってから、散歩での引っ張りが減り、吠えそうな時の呼び戻しもしやすくなりました。
そして、やたら目が合うことも増えてきました (笑)
この記事では、「アイコンタクト」の教え方について、3つのステップに分けてご説明しています。
「愛犬と目が合っているのかよくわからない。」
「愛犬が名前を理解しているかわからない。」
という方は、このステップで教えると理解しているか確認しやすくなります。
前回の記事にも書きましたが、アイコンタクトは犬とのコミュニーションです。
日常生活に取り入れ、犬に「飼い主さんと目が合うと、何か楽しいことが起こりそう!」とわくわくしてもらうことを目指しましょう!
アイコンタクトの教え方
1.アイコンタクトを覚えるためのステップ
- 小さなおやつを持ち、犬ににおいをかがせて注目度をあげる
- おやつを飼い主さんの眉間あたりにもってくる
- 犬の名前を呼び、目が合ったら「よし!」などほめておやつをあげる
これを数回繰り返すことでアイコンタクトのベースができるようになります。
※まだ自分の名前を理解していない犬は、理解してからスタートします。
2.ステップアップ
- 小さなおやつを持ち、犬ににおいをかがせて注目度をあげる
- おやつを飼い主さんの顔の横(顔2個分くらい離れたところ)にもっていく
- 犬がおやつに注目している間に、犬の名前を呼ぶ
- 目が合ったら「よし!」などほめておやつをあげる
3.さらにステップアップ
犬がアイコンタクトを覚えたら、いろいろな場面で指示を出すことで定着していきます。
家の中でおもちゃに夢中になってる時に突然呼んでみたり、お散歩の時に呼んでみたり、日常的にアイコンタクトをとりましょう。
アイコンタクトに慣れてきたら、おやつはたまにあげたり、あげなかったり、自然に頻度を減らすことで、期待しながら続けることができます。
ほめることは毎回必ず行います。微笑みかけるのもOKです。
最終的にはおやつがなくても、ほめられることを喜びにアイコンタクトをしてくれます。
アイコンタクトを教えるときの注意
名前を連呼しない
これ、やってしまう方がとても多いです。
「○○(犬の名前)!」あれ?聞こえてないのかな?
「○○(犬の名前)ー!」「○○(犬の名前)ー!」
アイコンタクトの練習中、何度も名前を呼んでいると、犬にとって飼い主さんがよく言っている音になってしまい、気にしなくなってしまいます。 また、何度も呼ばれたら反応すればいいと勘違いしてしまうので、一回だけ呼んで反応を見ましょう。
犬に無理やり視線を合わせない
夢中でやっていると無意識にこちらから視線を合わせに行ってしまうことがあります。 犬の目をのぞき込むとストレスを感じてしまうので、犬の方から目を合わせてくれるのを待ちましょう。
やたら力を込めて犬の名前を呼ぶ
軍隊のようにピシッと力を込めて犬の名前を呼ぶ方がいらっしゃいます。
犬は自分の名前を単語でなく音で覚えているので、ふだんと同じ雰囲気で呼びましょう。
「何か嫌なことが起きそう・・・。」と犬が警戒してしまったり、ふつうに呼ぶと反応しないことがあります。
楽しい雰囲気で「呼ばれたらいいことがありそう!」と思ってもらうのがポイントです。
アイコンタクトを日常的に取り入れる
「アイコンタクト」に限らず、部屋では言うことを聞くけれど、外ではできないことは多いと思います。
外だとできないのは、外で指示されることに慣れていないという理由がほとんどです。
(外に魅力的なものがあって好奇心が勝ってしまう場合もあります。)
お散歩中、一生懸命飼い主さんを見ながら歩いている子、すてきですよね。
「うちの子は振り向きもせず前に行ってしまう・・・」という方。
大丈夫です。最初はみんなそうなんです。
お家で「アイコンタクト」ができるようになったら、散歩の時にちょっと立ち止まって、愛犬の名前を呼んでみてください。
こちらに来なくても、目が合ったらにこっと笑ってほめるだけで、散歩中に目が合う頻度はどんどん増えていきます。
犬にとって、飼い主さんとコミュニケーションをとりながら散歩することはうれしいことです。
飼い主さんとすてきな時間を過ごせている犬は、家での行動もおだやかになりますよ。