【写真で解説】初めて犬を飼う方のためのハウス(クレート)のしつけ方

クレートに入る犬 しつけ

前回ハウス(クレートトレーニング)の大切さやメリットについてご説明しました。

   

この記事では、「ハウス(クレート)は持っているけれど嫌がって入らない!」という方に、犬がハウスを好きになる教え方を紹介しています。

写真付きのステップで、初めてハウスを教える方にもわかりやすいように細かく解説しています。
ついやってしまうことや、次のステップへ進むタイミングもお伝えしているので、イメージしやすくなると思います。

災害時なども重要になるハウスでの過ごし方を、今のうちにマスターしておきましょう。

 

1.まず「ハウス」が愛犬専用の安心できる場所だと教える

「ハウス」の指示でハウスに入れるようになっても、そこが犬にとって安心できる場所でないと、閉じ込められた気持ちになってしまいます。

ハウス=犬専用の居心地のいい場所

になってもらうことが何よりも大切です。

(以下ハウス=クレートでご説明しています。)

 

① クレートに大好物のおやつを置きます

クレートの見本

まずクレートのドアをはずします。

(写真では撮影のため、部屋のど真ん中ですが、本当はクレートを設置したい場所で行います。)

クレートへおやつで誘導

おやつを「クレートの入り口前」「クレートの入り口」「クレートの中」と誘導するように置きます。

おやつのサイズは小指の爪程度の小さめでOKです。

警戒して入れない子はクレートの天井を外して、底部分だけで同じことをすると入れることがあります。
あとは、おやつをもっと魅力的なものに変えてみるのも効果的。

クレートに寝る犬

 

② 犬が頭から出てくるまで繰り返します

クレートをのぞき込む

①を繰り返し、自分から入れるように慣らしていきます。

おやつを食べてお尻から出てくるうちは、もう少し練習します。

クレートに後ろ足を残して入る

まだ警戒心があると、このように後ろ足が残って、胴体を伸ばしておやつを取ろうとします。

クレートでぐるっと一周

慣れてくると、クレートの中でくるっと回って、頭から出てくるようになります。

クレートの中で追いおやつ

一旦入ってもすぐ出てこようとするので、クレートの中にいるときに、さりげなく追いおやつをすることで、とどまる時間が長くなります。

無理やりではなく、チャンスを見計らってさりげなくおやつを追加するのがポイントです。

③ 自分からクレートに入るように

クレートに入る

1日のうち、数回クレートにおやつを入れていると、「またおやつあるかな?」と自分から入るようになっていきます。

(体重増加が気になるときは、ごはんの量を調節してあげれば大丈夫です。)

たまに犬が自分からクレートに入り、休む姿があったら、居心地のいいクレートの目標達成です!


「ハウス」の指示でハウスに入るのは安心できてからです!


2.「ハウス」の指示でハウスに入るよう教える

愛犬にとってクレートがすっかり居心地のいい場所になったら、「ハウス」の指示で入るように教えます。

  1. クレートの奥におやつを入れ、クレートの中を指さしながら「ハウス」と言います
  2. 犬がクレートに入ったら「よし!」とほめます
  3. スムーズに入るようになったら、おやつを入れずに「ハウス」とクレートを指さします
  4. クレートに入ったら、クレートの中で「よし!」とほめ、おやつをあげます
  5. これを繰りかえすことで、「ハウス」と言われると、クレートに入るようになります

 

3.ドアを閉める練習

ドアを閉めるステップが早すぎると「閉じ込められた!」という気持ちになってしまいます。

「ドアが閉まっても、あとで絶対に出してもらえる」と愛犬に理解してもらえるよう慎重に進めます。

 

① 片側だけドアを取り付けます

ドア付きクレート見本

ドアはできる限り開けておきます。

愛犬が入ろうとした時、体がぶつかってしまったり、閉まったりしてしまうと、パニックを起こして嫌いになってしまうことがあるからです。

ドア付きクレートに半分入る

ドアなしの時と同じように、おやつで誘導して、クレートに入れるように練習します。
(「ハウス」の指示で入る子は、おやつで誘導しなくてもOKです。)

ドア付きクレートに入る

飼い主さんが遠くから様子をみた方が、入ってくれることがあります。

近くにいても入ってくれるようになるまで、根気強くおやつを置いたり、投げ入れたりします。

② 一瞬ドアを触ります

ドアをつけたクレートに入るようになっても、急に閉めることはしません。
ドアに触るだけ、ちょっと動かすだけ、と細かいステップに分けることで、せっかく安心してきたクレートを嫌いにさせずに済みます。

クレートのドアに触る

ドアに触るのは最初は1秒でOKです。
警戒されないように、さりげなく触ります。

クレートのドアを半分閉める

警戒心の強い犬の場合、ドアを閉めるステップは、じっくり時間をかけてください。

ドアを閉める手におやつをもってやると、期待して待ちやすくなります。

ドアが開くのを期待して待っている状態になるまで、何度も練習します。

クレートのドアを閉める

おめでとうございます!

パニックを起こさずドアが閉められるようになりましたね。

やり方や犬の性格により、ステップの進み具合はそれぞれです。
焦らず穏やかな気持ちでトレーニングをするのがポイントです。

 

③ ドアを閉めて中におやつを入れます

クレートのドアからおやつをあげる

クレートのすき間からおやつをあげ、「ここにいるとおやつがもらえる!」といいイメージを持ってもらいます。

最終的にはクレートの中で1時間くらい静かにできると理想的ですが、最初は欲張らずに、数秒からスタートします。

徐々に数分~数十分と伸ばしていきますが、毎日記録を更新しようとせず、たまにドアがすぐに開くときがあった方がモチベーションが上がります。

 

4.日常の中で練習する

日々トレーニングの時間をとって、「毎日練習しなければ!」と気を負わなくても大丈夫です!
日常生活に取り入れることで、気楽に練習することができます。

洗濯物を畳んでいる間、近くにお買い物に行っている間など、ちょっとしたときに練習のチャンスがあります。

飼い主さんが家にいる時、いない時のどちらの場面でも練習しておきましょう。

クレートの中に知育玩具を入れる

知育トイ(おやつを入れられるおもちゃ)などをクレートの中に入れると、おもちゃに集中してくれるので、時間を延ばすことができます。

(のどに詰まる危険のないものを選びます。)

クレートに布などをかぶせて目隠しすると、安心して過ごせる子もます。

(こちらも、布を引き込んで飲み込むことがないように注意してください。)


クレートで短時間の留守番をする場合は、こちらの記事も参考にしてください。

ぶっつけ本番はストレス大!!犬のお留守番練習のすすめ方

 

クレートのドアを開けるときは、「出してー!」とアピールしていない時にします。

また、開けた時に「がんばったねー!」とほめてあげたいところですが、クレートから出たことにほめられていると勘違いしてしまう恐れがあるので、ドアは無言で開けます。

 


まとめ

ハウス(クレートトレーニング)をできるだけ細かく分けて解説しました。
実際は、これよりさらに細かいステップに分けて進める必要があることもあります。

一番大切なのは、愛犬にとってハウスは居心地のいい場所と思ってもらうことです。

それぞれの子のペースに合わせて、ぜひ日常にハウスを取り入れてみてください。