子犬のしつけは迎えたその日から!しつけを始める時期と教える順番を解説

折れ耳の子犬 しつけ

犬を飼う時に大切なのが「しつけ」ですよね。

けれど、子犬を迎えたばかりだと「まだ小さいから、もう少し大きくなってからじゃないと分からないかな?」と思う方もいらっしゃると思います。

いいえ、子犬のしつけは迎えてからすぐスタートしてOKです。

なぜなら、「しつけ」とは犬が勉強するものではなく、飼い主さんとのコミュニケーションだからです。

この記事では、ドッグトレーナーである私おだんごが、犬にしつけをする意味と、子犬のしつけを始める時期、しつけの順番について解説しています。

子犬の時期にしつけを始める大切さがわかると、愛犬と楽しく学ぶことができ、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

まだしつけをスタートしていない方も、焦らず手順を確認してみましょう。

 

犬にしつけをするのは「人間社会で一緒に生きるため」

犬と握手

犬が犬らしく生きることは大切ですが、噛んでほしくない物を噛んだり、色々な物音で吠えたりすると、一緒に暮らすのが難しくなってしまいます。

犬にしつけをするのは「人間社会で一緒に生きるためのルールを教える」ということです。

ただし、やってはいけないことだけを注意していると、犬は何ならしていいのかわからず、ストレスが溜まってしまいます。
「何も噛んではいけない」ではなく「噛んでいい物」と「いけない物」を教えるように、「いいこと」「いけないこと」の境界を教えてあげます。

また、愛犬や相手を守るためにもしつけは重要です。

「おすわり」や「ふせ」などのしつけは、その場に留まるよう指示するもので、愛犬や相手を危険から守る時に役に立ちます。

しつけとは、人の言うことを何でも聞かせるためでも、芸を披露するためでもなく、人間社会で一緒に生きるためのルールを教え、犬と相手の安全を守るためのものです。

しつけとは犬の勉強ではなくコミュニケーション

ハイタッチする子犬

しつけは大切だからしっかり教えなきゃと焦らなくても大丈夫です。

無理やり教えるのではなく、楽しいコミュニケーションの時間にすることが上達のポイントです。

以前は、上下関係のように飼い主さんは犬の上に立ち、厳しくしつける方法がありました。
けれど、たたいたり厳しくしつけると、飼い主さんといることに安心できず、将来攻撃的な問題行動につながる可能性があります。

「言うことを聞くようにする。」というよりは「どうやったら愛犬が理想の動きをしてくれるか。」飼い主さんの工夫の時間だと思って、愛犬と楽しく挑戦してみてください。

しつけは迎えたその日からスタートしてOK

ふせをするヨーキー

多くの方が生後2、3か月以上の子犬を迎えると思います。
その時期からしつけをスタートしてOKです。

しつけを勉強のように捉えると「まだ早いかな?」と感じてしまうかもしれませんが、先ほどお伝えしたように、しつけはコミュニケーションです。
赤ちゃんがお母さんとコミュニケーションするのと同じようにイメージしてもらえればと思います。

1回で完全に理解することは難しい場合がありますが、決して強く叱らず伝えていくことで、ちょっとずつ人のルールを理解できるようになります。

 

特に、子犬の生後2、3か月は社会化期とよばれる物事を最も吸収できる大切な時期です。

この時期に色々な物事を経験し、慣れていくことで、将来愛犬が新しいものに出会っても怯えずに過ごすことができます。
色々な物事とは、知らない人に会う、他の犬に会う、掃除機の音に慣れるなど、将来出会うであろう物事です。
(ワクチン接種が終わっていない場合は、直接触れ合うものは控えておきましょう。)


逆にいうと、この時期にお留守番などで一人お部屋に閉じこもっていた子は、物音がするだけで怖がり、散歩でも歩けず、心配で吠え続けてしまう、というかわいそうな運命になる可能性があるのです。

子犬のしつけって何から教えたらいいの?

アイコンタクトを取る犬

迎えた日から始めること

  1. 習慣にしたいこと
  2. 「いいこと」「いけないこと」の線引き

1.習慣にしたいこと

習慣にしたいことは、初日から始めることで日常に溶け込みやすくなります。

トイレトレーニング、留守番練習、歯磨き練習、クレートトレーニング(ハウストレーニング)などです。
ただし、初日から完成を目指すのではなく、慣らし始めるイメージです。

初日の歯磨き練習は、歯ブラシを口に入れるのではなく、口を触るところから始めます。

 

初日から始めたいしつけや、歯磨きの慣らし方については、こちらの記事に詳しく載せています。 ↓

2.「いいこと」「いけないこと」の線引き

子犬は常に飼い主さんの反応を見ています。

たとえば、遊んでいてうっかり飼い主さんの手に歯が当たってしまった時、遊びが終わってしまうこともあれば、気にせず遊んでいることもあると、子犬は飼い主さんの手に歯が当たることを気にしなくなってしまいます。

甘噛みをしないよう教えていくなら、歯が当たったら必ず遊びを一旦おしまいにし、子犬が理解しやすいようにふるまうことが大切です。

関連記事

子犬の甘噛みは子犬のうちから対処するのが大切です。

子犬の甘噛みは放っておくと危険!いつから教えるの?ついやりがちなNG行為とは?

日によって反応がぶれないように、飼い主さんも心の中で「いいこと」「いけないこと」をしっかり線引きしましょう。

環境に慣れてから始めていくこと

「おすわり」「ふせ」などの指示(コマンド)は、子犬が環境に慣れてから練習を始めていきます。


まずはお家の中で練習しますが、将来は外でもできるようにしていくことが大切です。

しつけの順番はどれからでも大丈夫ですが、子犬の場合好奇心が強く動きたがってしまうので、「まて」などのじっとしていないといけないものは、少しハードルが高くなります。

手についてくる「ハンドターゲット」を最初に教えると、飼い主さんの手を追うようになり、他のしつけもしやすくなるのでおすすめです。

関連記事

こちらの記事にしつけ(コマンド)を教える順番の工夫について載せています。

ドッグトレーナーは教えるしつけ(コマンド)の順番を犬によって変えている!その理由は?

1回のしつけの時間は10分以内にする

あくびをする犬

犬の集中力は10分と言われていて、とても短いです。

さらに子犬は集中していることが難しく、長い時間だとストレスになってしまいます。
しつけの時間は数分で楽しいうちにおしまいにするのがポイントです。

しつけをする時の注意点は?

  1. 体罰、脅かすことはしない
  2. 長時間しない
  3. おやつを使う時は月齢に合っているかチェックする

1.体罰、脅かすことはしない

子犬にとって大切なのは、安心できる環境です。
飼い主さんが安心できる存在でないといけないので、体罰や恐怖を与えることは絶対にしないようにしましょう。

2.長時間しない

迎えた頃は熱心になりすぎて、構いすぎたり、長時間しつけ練習をしがちです。
子犬が飼い主さんとの時間を好きになってくれるように、短時間で楽しく終わることを意識しましょう。

3.おやつを使う時は月齢に合っているかチェックする

おやつには「2カ月から」や「6か月から」など対象の月齢がある物があります。

対象の月齢でも、子犬がおやつを食べすぎるとお腹を壊してしまうことがあるので、パッケージを確認し、あげるおやつの対象月齢、量に注意しましょう。

まとめ

しつけとは?

  • 「人間社会で一緒に生きるためのルール」を身につけるもの
  • 子犬の勉強の時間ではなく、飼い主さんとの楽しいコミュニケーションの時間
  • 迎えてすぐ始めてOK
  • 短時間で楽しくおしまいにすることが大切
  • 絶対に体罰や恐怖を使ってはいけない