留守番のときに暇つぶしになるようにと、牛皮(ローハイド)ガムをあげる方も多いかと思います。
実はこれNGなんです。
パッケージにも書いてありますが、誤って丸呑みしてしまい喉に詰まってしまう事故が多く発生しています。
決して牛皮ガムが悪いのではなく、正しくあげれば噛む欲求を満たしたり、いいことがたくさんあります。
実際、我が家でも雨の日お散歩に行けない時などに、ストレス発散のため牛皮ガムをあげることがあります。
他にも、牛皮ガムは品質が不安という声がよく聞かれます。
この記事では、元ペットショップ店員のおだんごが、牛皮ガムが危険と言われる理由と、安全な牛皮ガムの選び方とあげ方について解説しています。
牛皮ガムの誤解を解き、正しく選んで愛犬の安全と健康を守りましょう。
牛皮ガムってどんなもの?
馬や牛などの皮革を加工し、乾燥させたものです。
棒状のもの、骨の形、靴の形などになって売っていることがあります。
牛皮ガムを使うメリットって何?
- 咬む欲求を満たしストレス解消になる
- 唾液の分泌が多くなり口臭・歯石予防が期待できる
牛皮ガムは丈夫なので、犬の噛む欲求を満たすのに向いています。
家具など噛んでほしくないものを噛んでしまう子には、牛皮ガムのような噛んでいいおやつを与えるのがおすすです。
また、噛むことで唾液が分泌されやすくなるので、口の中が浄化され清潔を保ちやすくなります。
ただし、歯磨きの代わりとまではいかないので、口の中をきれいに保つには毎日の歯磨きが大切です。
白っぽいのと茶色いのの違いは?
白っぽいもの
漂白の回数が多く、茶色のものより柔らかい傾向があります。ミルク風味などがついていることもあります。
子犬の歯が生え変わる時のむずむず解消に使われたりします。(商品により対象月齢があります。)
この漂白剤の一部に、犬の体に害があるものが使われていたため「牛皮ガムは危険」と言われるようになりました。
ただし、無害の漂白剤もあるので必ずしも漂白工程があることが危険なわけではありません。
また、穀物を食べて育った牛の皮は漂白していなくても白っぽくなります。
茶色いもの
漂白回数が少なく、自然の皮に近いものです。白いものより硬く、素材の風味が強い傾向があります。
犬にとっては、においが強い方が嗜好性が高くなります。
白っぽい方が柔らかいので何となく安心なイメージがつきやすいですが、漂白は薬品を使うので犬の体に害になる可能性があります。
無漂白のものか、安全な薬品で漂白されているものを選びましょう。
牛皮ガムが危険と言われる理由と選び方
漂白剤の使用も危険と言われる理由の一つですが、他にも理由があります。
- 化学薬品を使用しているものが多い
- 歯が割れることがある
- 子犬の場合消化不良を起こすことがある
- 成犬でもあげすぎるとお腹がゆるくなることがある
- のどに詰まることがある
① 化学薬品を使用しているものが多い
牛皮ガムは製造工程で火を通さず乾燥させて作るため、防腐などの処理に化学薬品を使うものが多いです。
特に安価なものは気を付けなければいけないので、「化学薬品不使用・無添加」など品質に注意して選びましょう。
② 歯が割れることがある
犬はあごが丈夫な動物ですが、実は人間の歯よりも弱い構造になっています。
そのため硬いものを噛みすぎると歯が傷つき、割れたり欠けたりすることがあります。
あげる硬さと頻度に注意が必要です。
あげていい硬さの目安としては「はさみで切れるかどうか」が基準になります。
我が家の犬はよく歯茎から血が出て、ガムに血がついていることがありました。
牛皮が棒状にロールされているものは、噛んでいるうちに柔らかくなりやすいですが、骨の形など部厚く固まっているものは犬の歯に負担がかかりすぎるかもしれません。
子犬やシニア犬には柔らかいものを選んであげましょう。
③ 子犬の場合消化不良を起こすことがある
子犬向きのものでも生後3カ月以上など商品によって月齢制限があります。また対象月齢以上でも子犬の場合消化不良を起こすことがあるので、注意しながらあげる必要があります。
牛皮ガムの多くは生後6か月以上です。
④ 成犬でもあげすぎるとお腹がゆるくなることがある
消化しにくいものなので成犬でもお腹がゆるくなることがあります。
商品の説明を目安にして、あげすぎに注意しましょう。
添加物により嘔吐や下痢を引き起こすこともあるので、「無添加」で品質のいいものを選ぶことが大切です。
カロリーも意外と高いです。
⑤ のどに詰まることがある
犬はあまり噛まずに飲み込んでしまいます。
ほとんどの商品に「必ず見ているところであげてください。」と注意書きがあるように、丸のみしてのどに詰まる事故が多く、最悪の場合死んでしまうこともあります。
実際私の身近でも起きました。
こぶなどがある形は避け、丸のみできない大きめのサイズを選びます。
また、小さくなったものを丸のみしないかもよく見てあげなければいけません。
留守番の時にあげるのがNGな理由はこのためです。
飲み込まないようにと慌てて取り上げようとすると、より執着して丸のみしやすくなってしまいます。
絶対に無理やり取り上げようとせず、大好きなおやつと交換したり、注意をそらしたりして取ります。
牛皮ガムの安全なあげ方
- 牛皮ガムを食べている間は目を離さない
- 理想は手で持ってあげ、小さくなったら丸のみしないよう新しいものと交換
実際、新しいものと交換するのも危険な場合があるので、愛犬ががっついて丸のみしようとするタイプなら、細い棒状のものにするなど、リスクの低い形と大きさのものを選ぶのが安心です。
交換できる場合は、小さいものははさみで切ってのどに詰まらないサイズにしてからあげましょう。
まとめ
- 化学薬品を使わない安全な製法のものを選ぶ
- 月齢やあげる量を守る
- サイズに注意して選ぶ
- お留守番用ではなく必ず見守ること