犬の叱り方がわからない!やってほしくないことをした時の伝え方のポイント

注意される犬 しつけ

愛犬がしてほしくないことをした時、叱っているのに全然効果が感じられないことってありますよね。
「叱るのはかわいそうだから、できるだけ叱らずにしつけをしたい」という方もいらっしゃると思います。

実は、愛犬に伝わるように「叱る」にはいくつかのポイントがあります。
強く叱りすぎると恐怖を与えすぎてしまったり、こちらに攻撃してくる危険もあるので、適切な対応が必要です。

この記事では、愛犬に注意したい時の、伝わりやすい叱り方について解説しています。
叱るといっても、「してほしくないことをした」と伝える目的なので、反省させるためではありません。

人にとって困ることであっても、犬にとっては自然なことであることがほとんどです。
お互いがコミュニケーションを取りやすくするために、適切な叱り方について知っておきましょう。

「叱らないしつけ」は叱る必要がない環境を整えているからこそできる

笑顔の犬たち

最近ほめるしつけが主流になり、「叱る必要なし」という方法のものもあります。

「叱る必要がない」のは、飼い主さんが先回りして、愛犬にしてほしい行動を促し、してほしくない行動をさせないようにしているからです。

たとえば、「盗み食いをしないように、あらかじめ犬の届く範囲に食べ物を置かないようにする。」などです。

けれど生活する上で、どうしても犬がしてほしくない行動をしてしまうことがあります。

無視だけでは解決できない場面では、「叱る」「注意」することで愛犬にとっても理解しやすくなります。

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ほめるしつけについては、こちらの記事に詳しく載せています。

【子育てにも応用できる!】犬のほめるしつけのメリットと誤解されやすいポイントを解説

 

愛犬に伝わりやすい叱り方のポイント

  1. タイミング
  2. 短い言葉で伝える
  3. ちょうどいい強さで伝える
  4. 毎回叱る

① タイミング

してほしくない行動をした直後、あるいはしそうな瞬間に注意をします。
後からでは効果がありません。

時間が空くと、何に注意されたかわからなかったり、たまたまその時にしていた行動がいけなかったのだと間違って認識してしまうことがあります。

② 短い言葉で伝える

人の子どもなら、いけなかった理由を説明しますが、犬にとっては理解できません。
時間が長いほど何に注意されたかを忘れてしまい、ただ苦痛に耐えるだけになってしまいます。


「だめ!」「あ!」と短く伝えることで、この音を聞くと今していた行動がいけなかったんだと理解しやすくなりいます。

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「ちがう」を伝える合図を教えると、コミュニケーションがぐんと取りやすくなります。
教え方はこちらの記事に載せています。

【しつけにイライラしていた方必見】「ちがう」を教えると犬はこんなに変わる!


③ ちょうどいい強さで伝える

「だめだよー。」と穏やかに言っても、犬には伝わりません。

けれど、強く怒鳴ったり、大きな音を鳴らしたりすると、飼い主さんに対して恐怖心を持ってしまう可能性があります。
また、常に怒鳴って叱られている犬は、その強さに慣れてしまい、気にしなくなってしまうこともあります。

叱る時は、場面、その子の性格、反応などを見て、ちょうどいい強さで伝えなければいけません。

④ 毎回叱る

「これをしたら注意する!」と決めた項目に対しては、毎回必ず注意します。

注意する日としない日があると、愛犬がだめなことが理解できなかったり、少しなら大丈夫だろうと駆け引きになってしまうことがあります。 

人の方も機嫌がいいと「まぁこれくらいならいいか」と線引きがうやむやになりやすいので、ルールはしっかり決めておきましょう。

叱り方のバリエーション

人差し指と柴犬

叱り方は人により様々なので、正解はありません。

けれど、先ほどのようにその場に合った動きや加減ができると、愛犬に伝わりやすくなります。

 

「だめ!」など短い言葉で伝える  

してほしくないことをしようとしている時は、する前に声掛けで止められるのが理想的です。

それでも行動をやめなければ、犬の前に立ちはだかって止めることもあります。(圧をかける感じです。)

叱った時に唸ってくる場合、理由は様々ですが、興奮させないように落ち着いたトーンで、諭すように伝えると理解してくれることもあります。
あまり追い詰めないように、反応を見ながら注意しましょう。

使う場面

テーブルの上の食べものを狙っている時や、玄関の靴をもってこようとする時など

 

犬の正面に勢いよく入って立ちはだかる 

犬が興奮状態で声掛けだけでは届きそうもない時、止めなければ危険がある時などは、体を使って止めます。
物理的に止める意味もありますが、勢いをつけて気迫を見せるのがポイントです。

使う場面

お散歩中に相性の悪い犬を見つけてとびかかろうとしている時など

 

人差し指で犬の首のあたりを押す

こちらも興奮していて、声だけでは届かない時などに対処として使うことがあります。
犬は気になるものに集中している状態なので、急に体に物が当たると驚いてこちらに意識が向くようになります。

人差し指で押す強さは決して強すぎなくて大丈夫です。
大型犬か小型犬かにもよりますが、豆腐に指が貫通するくらいでしょうか。(わかりづらいですね)
首の後ろだけでなく、腰のあたりでも効果的です。

来客吠えに対して行うのは、あくまで対処なので、来客や玄関チャイムの音に慣らす練習が必要になります。

使う場面

来客吠えの時など

 

その子にとって一番優しく、効果のある方法を探してみましょう。
なあなあになると伝わらないので、叱ると決めた瞬間は必ず気迫を出して伝えましょう。

間違った叱り方

渋い顔をする犬
  1. 体罰はNG
  2. 感情的に叱る
  3. 優しすぎる叱り方

① 体罰はNG

叩く、鼻先をつかむなどの体罰は絶対NGです。
飼い主さんに対して恐怖を感じてしまうと、他のところでまた問題が出てしまったり、うつ状態になってしまうことがあります。


また、体罰はエスカレートしやすく、犬の方もどんどん慣れてしまったり、追い詰められすぎて攻撃に出たりすることがあります。

 

② 感情的に叱る

いつもなら叱らないことでも、イライラしていたからといって叱ってしまうと、愛犬は顔色をうかがってしまい、何に注意されているか理解できないことがあります。

感情的になり、高い声でまくしたてたりすると、犬も一緒に興奮してしまうことがあります。

 

③ 優しすぎる叱り方

愛犬を叱れない方は、ささやくように注意してしまうことがあります。

犬が「叱られた」を理解するためには、声のトーンが大切です。
言葉に込めたやさしさは伝わりにくいので、「いいこと悪いことがわかることで、この子はもっと幸せに過ごせる」という気持ちで、しっかり伝えましょう。

 

叱って効果があったかの見極め方

しょぼんとする犬

叱った時に、愛犬が行動を止めたり、ぶるぶると体を振ったりしたら、伝わった可能性が高いです。
ぶるぶる体を振るのは緊張やストレスを感じ、自分を落ち着かせようとするためです。

震えたり、粗相してしまったりした場合、恐怖を感じているので、もう少しマイルドに伝える必要があります。

してほしい行動をした時はほめる

犬を抱きしめる人

まずは叱らなくていい環境を整えることが大切です。
多くのことが、人にとって困った行動でも、犬にとっては普通の行動です。

困ったことをしたら叱るのではなく、なぜその行動をしてしまったのかを考え、できるだけその行動が起こらないように工夫するのが、飼い主さんのがんばりどころです。

また、叱るばかりでなく、してほしい行動をしたらほめることも大切です。

してほしいことと、してほしくないことを伝えることで、愛犬が何をしたらいいのかわかりやすくなります。

まとめ

愛犬に伝わりやすい叱り方のポイント

  • タイミング
  • 短い言葉で伝える
  • ちょうどいい強さで伝える
  • 毎回叱る