家族なのに愛犬に唸られるとショックですよね。
観察してみると、怒っているときだけではなく、遊んでいるときなどいろいろな場面で唸ることがあります。
犬が唸るのには理由があります。
まちがった対応をしてしまうと、せっかくの信頼が失われてしまうことも・・・
唸っているときの犬の気持ちを知ることで、唸らなくていい環境を作ってあげることができます。
お互いが気持ちよく過ごせるようになることで、犬との信頼関係もより深まります!
犬が唸る理由と解決策
まず最初に気をつけることは、決して「叱らないこと」です。
犬が唸る理由の多くが「怖いから、苦手だから」というマイナスのイメージによるものです。
たとえば、人だってお化け屋敷の手前で怖がっているときに、「怖がるな!」と叱られても、怖いものは怖いですよね。
叱ることは解決にはならないので、唸る理由を見つけて、その状況を作らないようにしてあげることが1番の近道になります。
- 警戒している、怖がっている
- 縄張りを守っている
- 「やめて!」のアピール
- 自分のものだと主張している
- 楽しくて興奮している
- 痛い所がある
1.警戒している、怖がっている
聞きなれない音や見慣れない物に対して唸ることがあります。
警戒心を持つことは犬が自分の身を守るための本能です。
また、子犬の頃に社会化(色々な物や環境に慣れること)が十分にできていないと、恐怖を感じることが多くなり、警戒心が強い子になります。
子犬のうち(特に生後2~3カ月)に色々な物や環境に慣らしてあげると適応力が上がります。
成犬の場合でも、苦手なものに対して、犬のペースに合わせて徐々に慣らしてあげることで、唸る場面が減っていきます。
2.縄張りを守っている
宅配便など家に入ってきた人に対して唸ります。
これは自分の縄張りへの侵入者に警告しているためです。
1の警戒と重なることがあります。
縄張りの主張は本能でもあるので、注意しても理解することは難しいです。
協力してもらえる時はお客さんにおやつを投げてもらい、お客さんが来ることにいい印象がつくようにします。
犬からお客さんが見えないようにしたり、「ハウス」に入るよう指示することで、不安を解消してあげるとができます。
日ごろから飼い主さんの代わりに、家を守ろうという意識の強い子も、唸ったり吠えたりしやすくなります。
飼い主さんが愛犬の主張を何でも聞いてしまわず、信頼できる関係が築けると、愛犬も安心して過ごすことができます。
3.「やめて!」のアピール
飼い主さんが犬の苦手なところ触った時にうなる場合は、「やめて」のアピールですが、ここですぐ手を引いてしまうことで「唸ったらやめてもらえる!」と学習してしまいます。
万一触った時に唸ったら、さりげなく違うところに手を移動します。
(咬まれる危険がある場合は無理をせずドッグトレーナーに相談しましょう。)
何が苦手を知り、おやつをかじらせながら、触られることに徐々に慣らしていきます。
犬の様子を見ながら、無理せず進めていきます。
普段の生活の中で、つい犬の要求を聞いてしまっていることがないか確認し、メリハリのある関係を築くことが大切です。
4.自分のものだと主張している
ごはんやおもちゃなど自分のものを守って唸る場合です。
特に食器を守る場合は本能的なところが多く、危険なので無理に取らないようにします。
取ろうとして威嚇に驚きやめてしまうと、犬が「唸ったら守れた!」と学習していまい、よりうなる可能性があります。
犬になめられないようにと無理やり取ろうとするのはNGです。
唸るのを繰り返すのは学習したからであって、決して「なめられている」わけではありません。
食器を守る場合は、ごはんをあげる時食器を遠くに置く、お玉など柄の長いもので食器に入れるなどの方法もあります。
咬まれてしまうと危険なのでドッグトレーナーなどプロに相談するのが一番です。
おもちゃの場合は、おやつと交換すると安全に取ることができます。
5.楽しくて興奮している
飼い主さんと遊んでいるとき、他の犬と遊んでいるときにも唸ることがあります。
子どもがテンションが上がって叫んでいるのと似た状態です。
やめさせたいと相談される飼い主さんもいらっしゃいますが、これも本能によるものなのでやめさせるのは難しく、楽しんでいるので叱るのはかわいそうです。
ただし、興奮しすぎて噛みついたりする子もいるので、興奮の度合いが上がってきたらいったんストップします。
興奮しすぎる前にいったん遊びをストップさせ、クールダウンします。
おうちの子が興奮しすぎないように、テンションをコントロールして遊べると上級者です。
多少の唸りは楽しんでいる証拠なので許してあげてください。
6.甘えている
撫でている時などに小さく「うー」と唸ることがあります。
これは気持ちよくて甘えているためです。
表情が穏やかで歯をむき出したりせず、あまり大きな声で唸っていないのがポイントです。
たまに、気持ちよさそうに撫でられていたのに、顔が強ばったかと思うと唸ったり噛んだりする子もいます。
「しつこいな!やめて!」と主張してくることもあるので、表情を見て見極めましょう。
7.痛い所がある
ケガをしていたり、具合が悪かったりすると、触られたくない気持ちから唸ることがあります。
高齢犬の場合、体が痛くてだっこされたくない、目がよく見えないから急に触られると怖い、という理由で唸る子も多いです。
普段なでられていたのに急に唸るようになった場合は、一度動物病院で診てもらうと安心です。
唸ることの注意点
犬は唸ることで、嫌がっていることをアピールします。
犬が嫌がっていることに気づかずに接してしまうと、犬は「唸ってもわかってもらえない。」と思い、急に咬む行動に出るようになることもあります。
ただし、犬が唸って手を引っ込めると「唸ったらやめてくれる!」と学習して、さらに唸るようになってしまいます・・・
なので、冒頭でお伝えしたように一番の方法は唸る状況を作らないことです。
危険が伴い、飼い主さんも怖いと感じることがあると思うので、難しい場合はドッグトレーナーなどプロに相談することをおすすめします。
まとめ
- いろいろな経験をさせてあげる
- 唸る原因を考えてその状況にしないようにする
- 唸らなかったらおやつをあげる
唸ることを叱るのではなく、「唸ることはちがうよ。」という意味で、「ダメ」など言い、唸ることをやめたらおやつをあげます。
唸る回数は減らせますが、まずは原因を探しましょう。